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パワフルな ローデータ

Avatar Naoya Otsubo Sep 01, 2015

データはモバイルマーケティングにとって通貨です。これがなければ、マーケターは破産してしまうでしょう。データの分析を深めれば深めるほど、より「リッチ」な洞察が得られるようになります。データの種類には、主に、「統計データ」と「ローデータ(生データ)」の2種類があります。

AppsFlyerの管理画面では、詳細な統計データを確認できますが、これで既に十分な洞察が得られている場合、なぜローデータが必要なのでしょうか?結局のところ、データを個々のユーザー単位で見るのではなく、統計的に見たときに、パターンが見えてきて洞察が得られるはずです。確かに、管理画面上の統計データは、分かりやすく、素早くアクションに結びつくデータの宝庫です。

しかし、それだけでは十分ではありません。データの最も純粋で未加工な形であるローデータも必要なのです。PushまたはPull APIなどによるリアルタイムのデータ移行ツールを利用していなくても、ローデータを手動で取得できるようにすべきです。例えば、管理画面からエクセルファイルをダウンロードするだけでも十分です。なぜなのか?以下でマーケターにとってローデータが必須である理由を見ていきましょう。

1)最先端のターゲティングが可能に

まずは、ローデータを取得する最も有益な理由を紹介します。ローデータを用いて、リターゲティングやルックアライクなどの広告キャンペーンで、最先端のターゲティングを実現できるユーザーリストを作成できるようになります。

例えば、アプリ内リッチイベントのデータ受信に対応しているリターゲティングネットワークでキャンペーンを運用しているなら(弊社ではデータ転送に対応済み)、製品を表示したが購入に至らなかった消費者のIDFAリストや、レベル25に到達したユーザー、または最低1回アプリ内購入をしたユーザーで過去4週間アクティブではないプレーヤーのIDFAリストを使って、広告配信が可能になります。

2)カスタマイズされた分析をさらに深める

いくら統計データの分析が深くても、自社のニーズに合わせてカスタマイズしたデータ分析が必要になることもあります。ローデータが手元にあると、自社のニーズに合わせて自由にデータを加工し、異なるオーディエンスのユーザーの行動、LTVなどを分析することができます。

3)数値の乖離を解決できる

私たちの複雑なモバイルエコシステムの中では、インストール件数などに関して、多少数値の乖離が発生してしまうのが現実です。アドネットワーク、アプリストア、トラッキングツールなど、それぞれの数値が合わない原因はいろいろと考えられます。

まずは、アドネットワーク側とトラッキングツールとの成果数の乖離について、よくある原因のトップ2を具体例をふまえてご紹介します。

原因1 – 測定方法の違い:広告主はネットワークAから、10,000件分のインストールに対する請求書を受け取ったとします。しかし、広告主がAppsFlyerの管理画面を確認すると、8,000件しかインストールが発生していません。そこで、広告主は管理画面からローデータレポートをダウンロードし、問題の2,000件のインストールが他のネットワークでラストクリックがあったため成果がネットワークAには帰属されなかったことが分かりました。

これはネットワークとAppsFlyerがそれぞれ異なる測定方法を用いていることに起因します。ネットワークAは、クリックとインストールが一致すると成果を自社ネットワークに振り分けます。しかし、確認できるコンバージョン経路が自社ネットワーク内に限定されているため、クリックされた後に何が起こったのかは知りようがありません。

つまり、コンバージョンを測定する方法はどんなものなのかを見極める必要があります。控えめに言っても、多くの広告主に利用されている実績があり、全体的なコンバージョン経路が確認できるアトリビューションツール「AppsFlyer」の数値に正当性があることがほとんどです。

原因2 – 技術的な問題:広告主はAppsFlyerの管理画面からインストールを確認できますが、ネットワーク側はポストバックを受信しない限りインストールを確認できません。この場合、AppsFlyerを利用している広告主はローデータのログをフィルタにかけ、問題のある設定の問題やエラーなどをピンポイントで特定し、必要な修正を加えたり、さらに深く原因を追求したりすることができます。

アプリストアでは、以下のような場合に数値の乖離が生じる可能性があります。

  • アプリストアの測定はユーザーごとに行われ、端末ごとでは行われません。例えば、同じGmailアカウントを使用してアプリを携帯とタブレットにダウンロードする場合(または家族が同アカウントを使用して自分の携帯にアプリをダウンロードする場合)、ストアでは1回のインストールのみを測定しますが、AppsFlyerではインストールがあった端末ごとに新規インストールをカウントします。
  • アプリストアは、同じユーザがアプリをインストールし、アンインストール、そして再度をインストールした場合、1回のインストールしかカウントしません。AppsFlyerでは、初回のインストールから3カ月以上経過してからの再インストールが発生した場合、同じ端末でも2回インストールをカウントします。
  • 広告主がAppsFlyerでトラッキングを開始し、まだ履歴データがない場合、ユーザーがアプリをアップグレードした際に弊社は1回のインストールをカウントしますが、アプリストアではこれをインストールをカウントしません。

アプリストアの数値を変更することは難しいですが、なぜAppsFlyerとの数値が異なるのか、その原因を解明することは可能です。

4)不正インストールに対抗

デジタルセキュリティ会社であるWhite Opsの報告によれば、ウェブ広告による不正行為は63億ドルにも上ります。モバイルでの不正行為に関する確かなデータはありませんが、今年のモバイル広告主の被害は、少なくとも15億ドルにも上ると推定されています。これはモバイル業界でも重大な問題であることは明らかであり、モバイル広告の予算が増え続けることを考えれば、この問題はさらに大きくなるでしょう。

しかし、不正行為と戦う方法はたくさんあります。同じ端末で異なる識別子を作成することができる経験豊富な詐欺を例を挙げると、疑わしいパターンを見つけるためにローデータレポートが活躍してくれます。例えば、同じIPアドレスからの多量のインストールまたはユニークID、または非論理的なタイムスタンプ(毎秒、5秒ごとなど)、単一のIDFV(ベンダー用識別子)に対して大量のIDFAなどの不正パターンを特定できます。

5)ユーザーを獲得したネットワークでリエンゲージメントを促進

自社のローデータモデルとビジネスロジックを、アトリビューションツールから取得したローデータと結びつけて活用することで、ユーザーを獲得した媒体で、そのユーザーのリエンゲージメントを促進することができます。例えば、Twitterから獲得したユーザーに対して、自社商品についてのツイートを促す広告を打つことが可能になります。

6)データのバックアップ

Push APIを用してリアルタイムでローデータを受け取る方法には非常に多くのメリットがあるため、多くの経験豊富なマーケターがそれを活用しているのも頷けます。しかし、もし通信が遮断されたら、どうなるでしょうか。通信が遮断されている期間、貴重なデータを全て失ってしまうのです。しかし、管理画面から一定期間のローデータをダウンロードできるオプションがあれば、このようなデータ喪失のリスクを回避することができます。

7)好きなときにトラッキングツールを変更できる

ローデータはあなたに自由をも提供してくれます。ローデータがあれば、価値あるデータを抽出して手元にとっておけるので、もしものときに必要に応じて別のベンダーへの移行も可能になります。ローデータが手元にないと、データを全て所有している特定のベンダーに実質的に依存しざるを得ないことになります。一見当たり前のようで、多くの広告主がこのことに気づいていません。データは広告主のデータであり、広告主にとって最も貴重な資産でもあるのです。

最重要ポイント

データから全ての情報を絞り出すためには、データログを全て入手する必要があります。APIでのデータ通信(広告主側で対応ができている場合)に加えて、通信が遮断される場合に備えて管理画面からの直接ダウンロードできるのが最も理想的です。