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CTR、CTI、IPM:インストール・コンバージョンへの道 [ゲームジャンルごとのベンチマーク]

Jillian Gogel Jillian Gogel Mar 26, 2019

ここ数年、インストール後のユーザージャーニーについて随分話し合われてきました — 具体的には、ユーザーのインストール後とインストール前の行動をつなげ、将来のマーケティング活動を最適化する必要性についてでした。ユーザーの「量」よりも「価値」を重視するこの焦点が、マーケティングの収益性において最もミッションクリティカルであることは、広く同意されています。

インストール後アナリティクスに加え、クリエイティブの最適化やアプリストア最適化(ASO)、ターゲティング、入札管理に情報を与える重要なインサイトを提供するインストール前データを厳密にモニターすることも大切です。

異なるKPIとその意味についてふれる前に、今回の調査から出てきたいくつかの注目すべきポイントを見てみましょう(国別のゲーム分野のベンチマークは、本投稿の下部をご参照ください):

  • 米国では、地域別に見たクリック率(CTR)が最も高いジャンルは、「音楽」「アーケード」「ソーシャルカジノ」および「シミュレーション」です。他のジャンルは比較すると平均してこれらのジャンルの2分の1以下になります。
  • ミッドコアジャンルにおいては、インプレッション・ツー・インストール (IPM) 率が中央値より60%高い中国が群を抜いてトップでした。
  • 全3種のインストール前コンバージョン率を見ると、カジュアルジャンルにおいてはベトナムの平均中央値が最高で、IPMは63%、CTRは35%、そしてクリック・ツー・インストール (CTI) は27%高い数値となりました。

 

インストール・コンバージョン率とその重要性

様々なモバイルマーケティングKPIが存在する中、インストール前コンバージョン率は、コンバージョンファネルを通じてインストールに至ったユーザー数の追跡に使用されます。インストールがマーケティング活動において真の「最終地点」ではないが、ユーザがアプリを実際にダウンロードし、時間をかけて注意を向ける、もしくはリソースを投資する必要があることから、重要なマイルストーンであることに変わりはありません。

この重要性を理解した上で、極めて広義にではあるが、インストール前コンバージョン率を割り出すには、何を測定するかに応じて広告クリックまたは広告表示の合計数でインストール数を割ります。これらの指標は、それぞれクリック・ツー・インストール率 (CTI) およびインプレッション・ツー・インストール率 (IPM) と呼ばれます。

過去にモバイルマーケターは、多数のインストールを達成するためにインストール前コンバージョン率に大きく依存していました。当時、有料のインストール率が高いことは、意向の高いオーガニックユーザー数が多いことを意味したことから、このようなコンバージョンの目標はつじつまの合うものでした。一方で前述しているとおり、焦点はインストール後のファネルのKPIへと移行しました。これは正当なことですが、旧来の指標が未だに重要であることには変わりません。

それでは、それぞれの指標を見てみましょう。

 

クリック率 (CTR)

数式クリック数/広告表示数
示唆するものクリエイティブの最適化
説明 CTRはファネルの上部に所属します。全体的なマーケティング目標に関する指標としての役割は限られるものの、キャンペーンにおけるクリエイティブの効果をクリック数に基づき計測できます。

 

クリック・ツー・インストール (CTI)

数式インストール数/広告クリック数
示唆するものクリエイティブおよびアプリストアの最適化;ターゲティング;および/もしくは技術導入(例:MMP、内部ID照合技術、読み込み時間とダウンロードの時間に影響を及ぼす、ゲームの読み込みとアトリビューションプロバイダーがインストールイベントをAPIに送る間の時間)
説明 インストール前のユーザージャーニーにおける最も重要な2つのタッチポイント間の直接コンバージョンを測定します。CTI率が低いことは、関連オーディエンスが少ない、クリエイティブの効果が低い、もしくはインストールが完了する前に読み込みに時間がかかりすぎることを意味する可能性があることから、CTIは社会的にも技術的にも重要な指標です。

 

インストール・パー・ミル(IPM – 1000インプレッションあたりのインストール数)

数式インストール数/1000インプレッション
示唆するものクリエイティブの最適化;CPI低下;インストール数の増加;および/または効果的なウォーターフォール入札と管理
説明IPMは、新規ユーザーを対象とする際、ユーザージャーニーの全体像を示します。さらに、IPMが高いと、ウォーターフォール広告入札に直接的な影響を及ぼし、インストールを生成するクリエイティブ、広告、そしてキャンペーンの優れたパフォーマンスにより、所定の広告キャンペーンのランクが上がります。同様にして、広告のトラフィックは増加し、インプレッション、インストール率も向上します。

 

ベンチマーク

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  • 「ロールプレイ」ジャンルにおいては、トップの中国は中央値が20%で、2位のタイの9%と比較してほぼ2.5倍上回っています。90パーセンタイルに関しては、中国がやはり先頭に立ちながらも、米国と韓国がわずか約15%の差ですぐ後に続いています。
  • 「アクション」ジャンルでは、第2位の国との差は僅かであるが、インドの16.4%が最高の中央値でした。また、すべての国の90パーセンタイル値と中央値間の増加率は、平均してほぼ3.5倍と全体的に高い成長が見受けられました。中国とインドでは、90バーセンタイルではそれぞれ65%と51.6%で、中央値との差は両国平均して凡そ3.7倍以上を記録しています。
  • 米国では、地域別に見たクリック率 (CTR) が最も高いジャンルは、「音楽」「アーケード」「ソーシャルカジノ」および「シミュレーション」でした。他ジャンルはこれらのジャンルと比較すると平均して2分の1以下でした。これらのジャンルは米国国内ではトップであるものの、グローバルで米国が上位にランクインしリードしているのは「音楽」(コンバージョン30.8%)と「ソーシャルカジノ」(15.6%)のみで、それぞれ3位と1位でした。

 

 

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  • 「ロールプレイ」ジャンルにおいては、イギリスが12.9%とトップで、2位のブラジルを2倍以上の率で上回るなどして他国と大きく差を開いています。コンバージョン率が最も低いタイと比較すると、その差が7.2倍にもなっています。この指標では、イギリスは他のジャンルではランクが中位ですが、このカテゴリにおいては、90パーセンタイルのランクを見ても全体的に同じ傾向が見られます。
  • ロシアは、ほぼすべてのジャンルで比較的高い中央値を維持しています。特に「アクション」(5%)、「アドベンチャー」「30%)、「パズル」(8%)において中央値のランクが高くなっています。これは、CTRの明確に平均的な率と低率を比較した場合のことを指しています。
  • 全てのジャンルにおいて、中央値は極めて近いが、1、2カ国が他国より少なくとも25%上回っているのは、「音楽」(韓国、日本)、「ロールプレイ」(英国)、「ソーシャルカジノ」(ブラジル)、および「ストラテジー」(米国)の4つのジャンルでした。

 

 

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  • ミッドコアジャンル(アクション、アドベンチャー、アーケード、ロールプレイ、シミュレーション、ストラテジー)においては、インプレッション・ツー・インストール (IPM) 率が他国の平均中央値より60%高く、また、他国の90パーセンタイルの平均より50%高い中国が、圧倒的にトップの座に君臨しています。
  • ベトナムと米国は、90パーセンタイルにおいて最も一貫したIPM率の上昇を示し、10種のジャンルのうち7種で上位3国に入っています。これらの中で、ベトナムは特に「パズル」と「シミュレーション」のジャンルが強く、第2位よりもそれぞれ50%と20%上回っています。米国は、「音楽」のジャンルでIPMが43.9%と突出し、ベトナムはそれをわずか13%下回る率でした。「ロールプレイ」「ソーシャルカジノ」についても同様でした。
  • タイは、ほぼすべてのジャンルでCTIが低いにも関わらず、「ソーシャルカジノ」では90パーセンタイルのIPM率が52.4%と2番目に近い国よりも30%上回り、このジャンルに関しては予想外に低いベトナムをほぼ8倍上回っています。

 

注目すべきポイント

この調査から、次のことが推測できます。

  • APACのユーザーは、よりエンゲージメントが高く、広告に悩まされていない。先進国か発展途上国かを問わず、APAC地域は、ユーザージャーニーのすべてのタッチポイントにおいて一貫してコンバージョンに成功しているように見受けられます。これは特に、ミッドコアゲームで優位に立つ中国と、ミッドコアとカジュアルの両ゲームに関して劣勢のベトナムに当てはまります。この傾向は今後も続き、おそらく成長国としてインド、タイ、そして韓国が台頭することが見込まれるでしょう。
  • 米国はリードし続け、イギリスは上位の維持が困難。米国の中央値は比較的高いランクを維持しているが、イギリスは上位の維持に限界が見えてきています。米国のオーディエンスをターゲットすることで、インストール前のファネル全体を通じてコンバージョン率が伸びることが予想できるでしょう。一方、「ロールプレイ」のジャンルにおいては、クリエイティブ、アプリストア、ターゲティング、および入札の最適化に重点を置いて、イギリスのユーザーをターゲットすることをお勧めします。
  • IPMをうまく活用してスケールでの成功を狙う。IPMのみ、中央値と90パーセンタイル率がほぼ同じ傾向をたどっています。CTRとCTIでは、中央値の上位国が全体的なランキングでは下位となり、その逆のパターンでも同じような傾向が見られました。このことから、IPMのほうがより予測可能かつ安定している指標と言えるでしょう。つまり、マーケターは、この指標を念頭に、よりスケールに重点を置くことができます。これはまた、インストール率を向上させるのに、マクロレベルよりもミクロレベルで最適化した方がさらに効果があることを示唆しています。
  • 全ファネルに渡って、世界をリードする各国は高水準を維持。ユーザーがファネルのステージを進むと共に、コンバージョンの中央値は徐々に低下していきます。一方で、トップパフォーマーの国は高水準を維持しています。ブラジル、中国、米国、ベトナムといった90パーセンタイルにおけるリーダーは、少なくとも30%以上の数値を維持しています。このことから、ファネルのステージを進むとともにユーザー数は自然と次第に減少するものの、特定のテクノロジーやメソッド、ターゲティングによって高い成功率へと導けることが言えるでしょう。マーケターの皆様には、ターゲットジャンルと地域のベンチマークを考慮に入れた上で、達成目標を設定することをお勧めします。