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SKAdNetwork コンバージョン値の仕組みを知って、キャンペーンの効果計測&予測に活かす

Avatar Shani Rosenfelder May 17, 2021

AppleがiOS 14で紹介したプライバシーを重視したSKAdNetwork計測は、従来のアトリビューション計測よりも複雑で制約がともないます。

幸いにも、SKAdNetworkの制約を解消し、獲得したユーザーの価値を従来とほぼ同じ水準で計測かつ予測できる方法があります。

SKAdNetworkを最大限活用するには、Appleのコンバージョン値の仕組みや使い方を理解することが重要です。今回のブログでは、このコンバージョン値について掘り下げてみたいと思います。まずコンバージョン値とは何なのか、それからコンバージョン値を構成しているビットや、コンバージョン値をうまく活用する方法を説明します。

 

ビットとその仕組みについて

コンバージョン値とは、アプリインストール後に発生したアクティビティをインストールにひも付けるためのもので、アプリ開発者が設定をおこないます。

iOSはアドネットワークに1回だけポストバックを送信しますが、この1回限りのポストバックにコンバージョン値が1つだけ含まれます。コンバージョン値に含まれる情報は、アプリインストール後にユーザーがおこなった行動(ユーザーが「トラッキング」を拒否した場合)を知る唯一の情報源となるため、コンバージョン値はとても重要な役割を持っています。

ところで、コンバージョン値がどのように構成されていて、どのようにカスタマイズすれば有益なインサイトを得られるかご存知でしょうか?

ここからビットの説明に入ります。コンバージョン値は、6ビットで構成されていて、2進法を使います。ビットのON/OFFの状態を「0」と「1」の二つの数字を使って表現します。ビットを物にたとえるなら、電気のスイッチだと思ってください。

SKAdNetwork Conversion values six bits

6ビットで0~63までの合計64種類の組み合わせを作り、さまざまなコンバージョン値を計測できます。

SKAdNetwork 64 bit conversion value table

64種類と聞くと限定的に感じるかもしれませんが、収益、エンゲージメント、マーケティングファネルの行動段階、性別、端末など、幅ひろく計測することができます。

この値は、アプリにとってもっとも重要なKPIにもとづいて、自分たちで自由に使い道を決めることができ、またコンバージョン値は内部ロジックにしたがってマッピングが必要です。

6ビットは、アプリ開発者または広告主によって、それぞれ固有のデコードする方法が設定されており、アプリのインストールに貢献したキャンペーンに成果をひも付けて最適化をはかります。

 

ビットを最適化してコンバージョン値を計測

コンバージョン値の計測方法をマスターできれば、SKAdNetworkにともなう制約を克服し、SKAdNetwork計測をうまく活用することにつながります。 

与えられた6ビットで、エンゲージメント、リテンション、マネタイズの初期段階を計測し、初期段階で得られるデータをもとにユーザーの生涯価値を予測(pLTV)できます。

ユーザーの生涯価値(LTV)を予測するには、ビットをどのように割り当てるかしっかりと戦略を立てる必要があります。LTVを算出するうえで、みなさんにとっていちばん重要なイベントはなんでしょう?そのイベントをSKAdNetworkで計測するコンバージョン値とマッピングします。

SKAdNetworkで目標どおりの効果計測をおこなうには、6ビットの設定次第でいかようにもできます。ビットの割り当て方法は、大きくわけて「フラット」、「スプリット」、「コンボスプリット」の3つのタイプがあります。

 

1. フラット

「フラット」は、1つのKPIを計測するために6ビットすべてを使います。下図は、収益を計測するために6ビットすべてが使用された例です。

6ビットが2進法で「110001」という数字を示すと、この例の場合「ユーザーがある一定金額(図の場合は「$49」)をもたらした」という情報をアプリに返します。

SKAdNetwork conversion values: six bit flat revenue split

 

2. スプリット

先ほどの6ビットすべてを1つのKPIに割り当てる「フラット」とは違い、ユーザーの行動を1つ以上計測するために6ビットを分割する方法が「スプリット」です。

どういうことかと言うと、下図のように、6ビットのうち3ビットを収益の計測に、残りの3ビットをゲームの進捗状況の計測に分割することで、1人のユーザーに対して異なる行動を計測することができます。

SKAdNetwork conversion values: revenue split

このスプリットの例の場合、アプリは以下の内部ロジックにしたがってコンバージョン値を設定しています。

SKAdNetwork conversion value mapping

右側にあるコンバージョン値「46」は、このユーザーがゲームをレベル25までプレイする間に、$20以上課金したことを表しています。

 

3. コンボスプリット

最後の「コンボスプリット」は、スプリットとON/OFFのスイッチを組み合わせた複合タイプで、ほかの2タイプよりも難易度がアップします。

下図の場合、スプリット(収益の計測にビット3つ、ゲームの進捗状況にビット2つ)に、ビット1つをON/OFF(例:ユーザーのログインの有無)に割り当てています。

SKAdNetwork conversion value

コンバージョン値を活用した予測分析

ここまでコンバージョン値とその構成について説明しました。次に、コンバージョン値と予測分析の関係について説明します。

SKAdNetworkの性質上、コンバージョン値はファネルの前半部分で発生する初期行動をもとに計測します、それに加えて、SKAdNetworkにともなう制約(例:タイムスタンプ無しでポストバックが1回しか送信されない)は、同じ性質を持つユーザーをグループ化(コホート)したり、ユーザーの価値を予測したりするのに大きな影響を及ぼします。

そのため、ユーザーの初期行動を活用して、効果的な予測モデルを構築することが、これまで以上に重要です。

マーケティングが進んでいる企業では、iOS 14でSKAdNetworkが紹介される前から、ユーザーの価値を早期に予測し、キャンペーンをすばやく最適化できるように、こうした予測モデルを使用していました。

iOS 14.5がリリースされたいま、SKAdNetworkが提供する初期行動のシグナルのみを使用できるため、予測モデルはパフォーマンスマーケティングにおいて必要不可欠です。

 

SKAdNetwork以前・以降の予測モデル

ユーザーの生涯価値(LTV)を計算する方法は、アプリによって異なります。アプリごとにアプリ内イベント、ベンチマーク、ウェイト付けの範囲を決めて計算します。

SKAdNetwork以前の予測モデルでも、MMP(モバイル計測パートナー)のSDKを通じて計測された過去のデータを機械学習にかけて精度を磨きあげると同時に、発火したアプリ内イベントをスコアリング(点数をつける)して評価をおこなってきました。下図の例のように、ファネルの中間~後半部分であればあるほど、LTVの予測により重みが加わります。

SKAdNetwork conversion values: predictive analytics

SKAdNetworkでは、予測モデルを活用する以外にもう1つアクションが必要です。機械学習で十分な予測精度が確保されたら、与えられた6ビットをどのように使うか決めなければなりません。価値の高いユーザーを判別できるように、SKAdNetworkで計測するコンバージョン値を慎重に検討する必要があります。

SKAdNetwork conversion values: machine learning conversion

SKAdNetworkの登場で、アプリ開発者および広告主はコンバージョン値にもとづいて精密な予測モデルを築かざるを得なくなりました。予測分析を用いれば、ユーザーが最初の2~3日のうちにアプリ内でおこなった特定の行動を、長期的なLTVの予測に活用することができます。

予測分析のメリットは多岐にわたり、ハイリスクなマーケティング活動を早めに打ち切って損失を減らしたり、逆に成功率が高そうなマーケティング活動を早い段階でキャッチして効果を倍増させたりできます。試行錯誤による失敗を大幅に減らすだけでなく、適切な判断を下すことにつながります。

思いどおりにコンバージョン値を設定できる柔軟性を活かして、ユーザーの将来価値を予測し、また必要に応じて最適化することができます。

 

コンバージョン値を管理する方法

SKAdNetworkを使いこなすには、コンバージョン値の仕組みをしっかりと理解し、使い方をマスターする必要があります。とは言うものの、実際にコンバージョン値を扱えるようになるまで大変です。特に、キャンペーンの成果をあげようとすればするほど、コンバージョン値は複雑になります。

コンバージョン値をどのように設定するかは、すべてアプリ開発者または広告主の判断にゆだねられていますが、自分たちですべてをやろうとするには課題が多すぎるため、MMP(モバイル計測パートナー)の利用をおすすめします。

MMPは信頼できる中立なデータを提供するだけでなく、数多くのアドネットワークと連携しているというメリットがあります。また、SKAdNetworkだけを使ってアトリビューション計測をおこなうことは難しく、MMPが提供しているその他のアトリビューション計測と組み合わせてはじめて、キャンペーンのさらなる最適化を実現できます。

技術的な面においても、MMPはシームレスな広告主/サーバー間のSKAdNetwork連携や、膨大な量のデータを扱った機械学習など、幅ひろい領域の技術サポートを提供することで、今後SKAdNetworkがアップデートされた際にも、安心して対応できるような体制を整えています。

 

覚えておくべきポイント

iOS 14とSKAdNetworkによって、モバイルマーケティングはアトリビューション計測の転換を余儀なくされましたが、広告効果計測やユーザーの生涯価値を予測する方法を妥協せずに、変化に柔軟に対応することは可能です。

<ブログのまとめ>

  1. 6ビットで構成されているコンバージョン値は、限定的に感じるかもしれないが、この6ビットをいかにうまく割り当てるかによって、キャンペーンの計測範囲をひろげることができる。
  2. SKAdNetworkには制約がともなうため、マーケティングには予測モデルが必要不可欠である。
  3. MMPはキャンペーンの成果を高めるサポートをするだけでなく、MMPを使ってコンバージョン値を管理すれば大きなメリットがある。

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