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2018年AppsFlyerトップ5のデータトレンドと2019年の展望

Avatar Shani Rosenfelder Jan 07, 2019

eMarketerによると、2018年には約30億人、つまり世界人口の39.4%が携帯電話を使用してインターネットにアクセスしています。こうした爆発的な需要を満たすために、モバイル広告への支出も同様に拡大し、2018年には30%近く増加し1,840億ドルに達しました。2桁の成長はさらに2020年まで続き、2,630億ドルを超えると予想されています。

モバイル広告への支出でますます大きな割合を占めてきているのが、アプリインストール広告です。ブランドへのロイヤリティとエンゲージメントを促進するための最終的な目的地としてアプリが台頭してきたことで、この広告支出が大幅に増加しました。AppsFlyerの予測によると、アプリインストール広告の合計は2018年には389億ドル、2020年には少なくとも641億ドルに達する見込みです。実に65%の伸びです。

一方、このような成長は市場での競争激化にもつながるため、アプリマーケティングの収益性を高めることも同様に難しくなります。よって、データをうまく活用できるアプリマーケターだけが成功するでしょう。このパズルで重要なピースの1つが、2018年に市場がどこに向かったのか、2019年にはどこに向かうのかを把握することです。

まず、AppsFlyerによる2018年トップ5のデータトレンド、追加でおまけとしてサブスクリプション収益をもとにしたアプリシェアの増加に関する統計をご紹介します。

1) オーガニックのさらなる低下にともない、マーケティング主導のインストールの伸びが続く

オーガニックによるアプリの発見は2018年も低迷が続き、ますます多くのアプリでユーザー獲得(UA)予算が増加しています。2017年のマーケティング予算では、アプリの中で非オーガニックインストール(NOI)のシェアが11%増加し、2018年にはさらに12%増加して、インストール全体の55%に達しました。プラットフォーム別の内訳では、AndroidがiOSよりわずかに上回っています。

すべてのインストール(マーケティング支出額の設定なし)の中では、2018年に非オーガニックのシェアが43%に達しました。明らかに、UA予算のあるアプリは(NOIが月3,000+程のあまり多くない場合ですら)需要を生み出すためにますます非オーガニックインストールに頼るようになっています。

57%のアプリでオーガニックよりも非オーガニックのインストールの方が多いことから、マーケティングの成長が広まっていることが分かります。

カテゴリの内訳

非オーガニックインストールのシェアが最も増加したのは、カジュアルゲーム(+29%)、ヘルス&フィットネス(+24%)で、ニュースおよびフード&ドリンクでは最も大幅な減少(それぞれ、-19%および-7%)を記録しました。

2019年には何が起こるか?近年見られる傾向が続き、オーガニックによる発見は低迷し、非オーガニックインストールへの依存が高まり、並行して、データへの知識の深まりや信頼性の高まりがマーケティング投資の収益性を高めるでしょう。

さらに、チャネル間のつながりが深まるにつれてカスタマージャーニーの輪郭が明らかになり、マーケティングの効果がより明らかになるでしょう。その結果、ソースがわからなかった(そのためにオーガニックとして分類されていた)一部のインストールが解明されることでしょう。これにより、さまざまなチャネルでマーケティング主導の活動に起因するインストールのシェアがさらに増加していきます。

2) 1年の間に、最大20%のアプリがUAの支出でリターゲティング費用を増額

次のデータが示すように、アプリマーケティングにおけるリターゲティングの活用は複数の分野で増加しています。

全体的に見ると、70%近くのアプリがリターゲティングを増やし、一方で60%のアプリでインストールが増えています。比較的穏やかなインストールの増加に対し、リターゲティングは急増しています。アプリのリテンションにおける課題(レポート全文は こちら)と既存ユーザーに効果的にリエンゲージするためのデータの賢明な利用を考慮すると、これは予想されることです。

リターゲティングの飛躍的な伸びは、主にショッピングや旅行アプリによってもたらされました。こうしたアプリは、既存ユーザーの長期的なロイヤリティや彼らとより強い関係を生み出すことに的を絞っています。そのため、リターゲティングを使用する傾向が強いのです。これは特に上位50のショッピングアプリに当てはまり、そのうち35%はUAの支出でリターゲティングアクティビティを増加させています。

ゲーム分野では、過去1年間で60%近くのアプリが新規ユーザーを獲得するためのアクティビティを減少させたことが分かります。これは、激しい競争にさらされている結果、平均的なゲームの寿命が限られている業界の特徴によるものです。また、一般的にゲームアプリでは、時間の経過とともにメディアコストが増加する傾向があります。その結果、ユーザーの関心が下がるにつれてインストール数が減少し、アプリの収益が減少していきます。

2019年には何が起こるか?リターゲティング活用の増加につながる理由はいくつかあります。その中でも特に重要なのは、Eコマースアプリにおけるブランドと顧客ロイヤルティの重要性の高まりであり、ゲームアプリ分野でのIPの価値の高まり、継続的なリテンションの悩み、データ利用の拡大、より明確なセグメンテーションやリターゲティングの有効性の周知などが挙げられます。

3) ゲーム以外のアプリでIAPの収益化がますます困難に

アプリ内購入(IAP)の収益傾向から見ると、2018年の平均的なユーザーが生み出した収益は2017年よりも少なくなっています。全体としてはそれほど大きな減少ではありませんが、プラットフォーム別データを詳しく調べると、この低下の主な原因はAndroidユーザーにあると考えられます。

ゲームアプリのマーケターは、ゲーム以外のアプリのマーケターよりもはるかに経験豊富であるということは周知の事実です。2018年にもまだ両グループ間には大きなギャップがあり、特に上記のARPU(ユーザー1人当たりの平均売上額)の数値からも明らかです。

このギャップはまた、ゲームアプリにおける非オーガニックインストールの割合が、ゲーム以外のアプリよりもはるかに高い理由も説明しています(上記の洞察1を参照)。データ重視のアプローチのおかげで、ゲームアプリはマーケティングにより多く投資することができ、その結果獲得したユーザーからの収益増加の恩恵を受けることができます。

国別の内訳では、2018年に中国と韓国が最もARPUの増加を示した一方で、ブラジルとインドが最も減少しています。中国の爆発的な成長はインストール数からのものだけではないことが読み取られ、韓国は主にゲームの人気によってゲームアプリに牽引されています。

インドやブラジルなどの途上国市場では急増してはいますが、こうした成長は量に集中しており、収益化でいえば急激な減少となっています。そうは言っても、メディアコストが低いこととオーディエンスが多いことから、これらの地域のマーケターは収益性を高めることが可能です。

2019年には何が起こるか?アプリ内購入による平均収益は、予測が困難です。すべて、ゲーム以外のアプリで収益主導の最適化が促進されるかどうかにかかっています。一方では、ゲーム以外の多くのマーケターは、データ主導のマーケティングスキルを向上させる必要があることに気付き始めるでしょう。他方では、さらに多くの伝統的ブランドがパフォーマンス主導のアプリ市場に参入することにより、ゲーム以外のマーケターがこうしたスキルに磨きをかけるまでには時間がかかるでしょう。

4) 広告収益化の基盤が広がるが、ゲーム分野でのみ

アプリ内広告ベースの収益化は大幅な成長を遂げているものの、いまだに主にゲームに限られています(当社のデータベースによると、広告で収益を獲得しているアプリの85%はゲームアプリです)。ゲームアプリのマーケターは、複数のストリームからの収益をいかに最大化できるかに集中しています。ARPUが高かっただけでなく(上記のポイント3を参照)、2018年にはますます多くのゲームアプリ(正確にはシェアが135%増加)が広告収益を測定し始めました。

当社による最近の「 「ゲームアプリに関するマーケティングレポート 2018」 」で詳述されているように、この成長はカジュアルおよびハイパーカジュアルのアプリによって推進されています。シンプルなピックアップ&プレイの仕組みを備えたハイパーカジュアルゲームは、今年、ゲームアプリのインストール数のシェアで3.5倍の大幅な成長を見せており、ゲーム業界で最も注目を集めています。ミッドコアおよびストラテジーゲームにおけるIAA(アプリ内広告)のシェアは、ほぼ30%で横ばいでした。

2019年には何が起こるか?この重要な収入源の可能性を活用するアプリが増え続け、広告収益のシェアは増え続けるでしょう。その成長の多くは、主にカジュアルゲームでの報酬付き動画の需要によってもたらされる、動画広告の急増によって加速されます。さらに、高品質の業種別動画の使用が増加しており、ゲーム以外のアプリでも同様に関心が高まる可能性があります。

5) 大規模なボット攻撃は7月にピークに達してその後収まったが、次の波が来るのは時間の問題だろう

過去数年間、不正行為者と不正保護ソリューションの間での激しいせめぎ合いの一環として、アプリの不正インストールが断続的に検出されています。

インストールハイジャックやデバイスファームの台頭後、不正業者はユーザー行動を模倣することで不正防止ソリューションを回避しようとする、はるかに洗練されたボットを開発し始めました。この攻撃は、8月にピークを迎え、最大一日何百万もの攻撃規模に達しました。AppsFlyerが防止対策を提供し始めると、数は徐々に減少を示しました。

今度は代わりに、次世代のデバイスファーム攻撃が出現し、数千台ものラックに設置されている物理デバイスではなく、エミュレータが悪用されています。この種の攻撃は夏に経験したボットの規模と比べるとほど遠く、ここ数カ月では全体的にフロードが減少しています。そうは言っても、ほぼ4回のうち1回のインストールがいまだに不正インストールで、世界的な不正の割合は依然として驚くほど高くなっています。

最もターゲットとなった地域はアジア太平洋(中でも東南アジアとインド)とラテンアメリカで、一方北米は、特に年末にかけて比較的低い攻撃率となりました。不正行為者が特定の地域をターゲットにする主な要因は、明らかに金銭的なものではありません。むしろ、特にゲーム以外のアプリでは、不正に対する脆弱性が要因となっているようです。 

全体的に見て、ゲームとゲーム以外のカテゴリでは不正の頻度に大きな違いがあり、ゲーム以外の方がはるかに高い率で悩まされています。ゲーム分野のマーケターは通常、ゲーム以外のマーケターよりもはるかに高度なスキルを備えているため、これは驚くことではありません。また、この強みははるかに効果的な不正防止にもつながっています。

不正行為の種類の分布は、ほとんどの場合、地域やカテゴリにまたがって同様のパターンを示しています。

2019年には何が起こるか?いたちごっこは今後も続き、過去の経緯から判断すると不正の試みは増加するでしょう。2018年後半の相対的な攻撃減少の後なので、今回は以前よりもさらに危険が増しています。

おまけ: 2018年、サブスクリプション収益を測定するアプリの数が5倍に増加
アプリストアが1年後に収益の85%(標準の70%ではなく)を開発者に提供するようになってから、アプリサブスクリプションエコノミーの台頭が始まりました。4Gインフラストラクチャの世界的な可用性の向上によって可能になった音楽と、特に動画ストリーミングの爆発的な広まりや、より強力で手頃な価格のスマートフォン、低コストのデータプランが後押ししました。

当社のデータによると、ますます多くの分野がエンターテイメントを超えてサブスクリプション収益を測定しています。主にヘルス&フィットネスで、ユーティリティや教育アプリも含まれます。サブスクリプション収益を測定するゲームの数が、特により高度なミッドコアおよびストラテジーのカテゴリで大幅に増加したことも注目に値します。ただし、サブスクリプション収益を測定するゲームアプリの全体的なシェアは、依然として比較的小さいままです。

2019年には何が起こるか?さらなるインフラストラクチャの改善(5G)に加え、モバイル動画消費の急増が予想されるため、ストリーミングサービスは引き続き上昇軌道をたどることになり、より多くのアプリがシェアを争うでしょう。2019年、ディズニーが独自のストリーミングサービスをライバルのNetflixやAmazonなどに展開すると、業界ではさらに別の変化が起こるでしょう。

まとめ

モバイルアプリのインストールは著しい成長を遂げており、世界中でスマートフォンが大規模に普及する中で今後も成長を続けるでしょう。しかしミクロレベルでは、モバイルアプリのマーケターは多くの課題に直面しています。すなわちリテンション、収益化、不正行為という問題です。

そこで、データの活用が間違いなく成功と失敗の分かれ道になります。最も良い証拠は、平均的なゲームアプリと平均的なゲーム以外のアプリの間に引かれている明確なラインです。前者はデータに大きく依拠しており、収益主導の最適化に的を絞っていながら、不正行為の発生率はずっと低くなっています。これに対して、ゲーム以外のアプリでは反対のことが言えます。

マーケターとしてデータを深く掘り下げるには、次の点に留意してください。

  1. すべてを測定する。
  2. データアナリストやデータサイエンティストを採用して、測定するデータを高速処理する。
  3. データに関する自分自身のスキルを磨き、SQL、Excel、さらにPythonも学ぶ。開発者やデータサイエンティストになる必要はありませんが、そうした人たちと相乗効果を生む共同作業を行い、適切な質問をするのに十分な技術的知識を備える必要があります。

2019年が成功に満ちた1年となりますように!