リワードチャネルにおける不正対策:Playrixが効率向上とコスト削減を実現した方法
概要
- リワード広告チャネルでは、ユーザーによる不正な操作が増加したことで不正が拡大し、コストの増加やUA戦略の複雑化を招いていました。
- 不正アクティビティは広告予算の浪費や運用の非効率を引き起こし、不正検知プロセスもリソースを大量に消費するリアクティブな対応に依存していました。
- PlayrixはAppsFlyerのSeries-of-Events(SoE)の検証ルールを活用することで、不正ユーザーによる不正なアクションやアプリ内進行を事前にブロックし、UAの成果と広告予算の活用効率を改善しました。
背景
Playrixは世界トップ3に入る独立系モバイルゲーム開発会社であり、「Gardenscapes」や「Fishdom」といったヒットタイトルで知られています。これらのゲームは世界中で1億人以上のプレイヤーに楽しまれています。モバイルゲーム業界のリーダーとして、Playrixはユーザー獲得(UA)戦略を最適化しながら、UAやインセンティブ広告チャネルにおける不正への対応にも継続的に取り組んでいます。
Series-of-Eventsの検証ルールは、特にリワードチャネルにおける不正対策で欠けていたピースでした。時間、予算、労力を大幅に節約できています。
— Playrix Lead UA Manager, Andrey Vilner
課題
Playrixにとって、リワード広告チャネルにおける不正コンバージョンは大きな課題となっていました。特に人気ゲームが多くのプレイヤーを集めることで、不正を狙うユーザーの標的にもなっていたためです。不正ユーザーはゲーム内の進行を不正に操作し、本来は時間や努力が必要なマイルストーンを不正に達成することで報酬を得ていました。これはCPE(Cost per Engagement)課金モデルにおいてPlayrixの広告費に直接的な影響を与えていました。具体的には、不正ユーザーが正規のゲーム進行をスキップし、本来であれば時間をかけて達成するべきマイルストーンを偽装することで、Playrix側ではコストとリソースの無駄が発生していました。
当初Playrixは、こうした問題に対して手動による不正検知で対応していました。チームメンバーがコンバージョンを個別に検証し、ゲーム内イベントとシステムに記録されたデータを照合する必要があり、多くのリソースを消費していました。しかしこの方法は不正が発生した後に対応するリアクティブなプロセスであり、運用効率の低下につながっていました。さらに、パートナーへの返金請求も必要となり、コストが必ず回収できるとは限らない、広告パートナーとの摩擦が生じる、といった追加の課題も発生していました。
Series-of-Eventsによって、不正への対応は「事後対応」から「事前防止」へと変わりました。私たちのUA運用にとってゲームチェンジャーです。
— Playrix Lead UA Manager, Andrey Vilner
予算や運用の問題に加え、不正手法の高度化はPlayrixのUA戦略全体にも影響を与えていました。不正アクティビティによって主要なパフォーマンス指標が歪められ、キャンペーン効果の正確な評価、広告予算の最適配分が困難になっていました。信頼できるデータが不足することで、キャンペーンのスケールや本来のユーザーに向けた最適化にも支障が出ていました。
こうした相互に関連する課題を踏まえ、Playrixはよりプロアクティブな解決策が不可欠であると判断しました。チームが求めていたのは、特定のロジックに基づいて不正アクションや進行を自動でブロックできる仕組みと、UA指標と戦略に対する信頼性を回復できる仕組みでした。これにより、UA投資を保護し、運用を効率化しながら、ユーザー獲得における意思決定の質を高めることを目指しました。
ソリューション
Playrixには、手動検知では対応しきれなくなった不正アクティビティに対抗するため、より強力で自動化されたソリューションが必要でした。不正の主な原因は、Playrixの重要な収益源であるリワード広告を悪用したユーザーでした。彼らはゲーム内の進行を操作し、正規のプレイを経ずに報酬を不正に取得していました。
そこでPlayrixは、AppsFlyerの検証ルール、特に Series-of-Events(SoE)を導入しました。この仕組みにより、ユーザーがゲーム内で辿るべき イベントの順序(イベントシーケンス)を定義できるようになりました。プレイヤーが定義された順序から逸脱した場合、システムが自動的に不正アクティビティとして検知し、ブロックします。このプロアクティブなアプローチにより、Playrixは不正の発生源をスケーラブルに対処できるようになり、手動チェックの必要性を大幅に削減しました。その結果、運用効率も向上しました。
実験として始めた取り組みでしたが、今ではUA最適化ツールキットの標準機能になっています。Series-of-Eventsは大規模運用において必須の機能です。
— Playrix Lead UA Manager, Andrey Vilner
SoEの導入はまずコンセプト段階から始まり、PlayrixはAppsFlyerと密接に連携しながら、特にリワード広告チャネルに焦点を当ててソリューションを設計しました。開発フェーズでは、ゲーム内の典型的なプレイヤージャーニーに基づき、カスタム検証ルールを作成しました。ルール定義後、システムはプライベートテストを実施し、まずは 1タイトル / 1プラットフォーム / 1チャネルでベータテストとして導入されました。
ベータ期間の終了時には、Playrixは以下の成果を確認しました。リワードチャネルにおける不正コンバージョンの大幅な減少、不正管理における手動対応の大幅な削減、広告費のコスト削減です。
ベータテストの成功により、Playrixは期待していた成果を得るとともに、SoEを他タイトルや他チャネルへ拡大する自信を得ました。現在は追加のルールを活用することで、より多くのアプリやチャネルにおいて不正なアプリ進行を検知できるようになっています。
成果
Series-of-Eventsのおかげで、UAキャンペーンのスケール判断に必要な正確なデータをついに得ることができました。
— Playrix Lead UA Manager, Andrey Vilner
Series-of-Eventsの検証ルールがPlayrixの不正対策に与えたインパクトは非常に大きいものでした。
- コスト削減:不正コンバージョンが削減され、テスト対象のタイトルとチャネルにおいて月間約10万ドルの広告費削減を実現しました。
- 不正報酬の削減:不正ユーザーに付与されていた不正な報酬が12.5%減少し、ゲーム経済の健全化とプレイヤー体験の向上に貢献しました。
- チーム効率の向上:不正管理における手動対応が削減され、関係するチームメンバー1人あたり週約2時間の作業削減を実現。UAチームはより戦略的な業務やUA最適化に時間を割けるようになりました。
- 運用効率の改善:不正検知の自動化により、手動チェックや返金対応に費やす時間が大幅に削減され、チームはより重要な戦略業務に集中できるようになりました。
スケーラビリティの向上:初期導入の成功を受け、PlayrixはSoEをさらに多くのタイトルとプラットフォームへ展開する計画を進めています。