X(旧Twitter)のiOSにおいてディープリンクが機能しなくなった理由と今できる対処法
要点
- Xの内部WebViewの変更により、11月初旬からiOS版Xでストア遷移およびディープリンクが機能しなくなった
- アプリスキームおよびApp Storeへのリダイレクトがブロックされ、ユーザーは空白画面で停止する状態に
- これにより、Xのオーガニック投稿からのコンバージョンが大幅に減少
- 問題はiOS版Xに限定され、AndroidやSafariには影響なし
- httpsフォールバックや、AppsFlyerのDeep Linking Suiteを活用したランディングページでフローを復旧可能
Xでディープリンクとリダイレクトが壊れた背景と解決方法
ディープリンクとリダイレクトは、本来ユーザーにとって摩擦のないスムーズな体験を提供するものです。しかし、今回の事象ではそうなりませんでした。
2025年11月初旬、X(旧Twitter)においてiOSでディープリンクがアプリやApp Storeを開かなくなるという障害が突如発生しました。この影響により、Xのオーガニック投稿からのコンバージョンは最大で86%も減少しました。
AppsFlyerは早期にこのストアリダイレクトの問題を検知し、迅速に対応策を特定・提供しました。
では、具体的に何が起き、どのように解決されたのでしょうか。より詳しく見てみましょう。
エンドユーザーに何が起きたのか、その原因は?
AppsFlyerのデータによると、iOSユーザーがツイート内のリンクをタップした際、本来であればアプリへ遷移するはずのフローが、アプリ内ブラウザ上で空白画面のまま停止する状態になっていました。
通常であれば、ディープリンクやディファードディープリンクにより、アプリが開くか、未インストールの場合はストアへリダイレクトされます。しかし今回はフォールバックもエラーメッセージもなく、フローが完全に途切れてしまいました。その結果、ユーザー体験の悪化とコンバージョンの急減が発生しました。
この問題の原因は、Xの内部WebView(アプリ内でリンクを開くための組み込みブラウザ)にありました。
最近のWebViewアップデートにより、以下の2つの重要な挙動変更が導入されました:
| 内容 | 変更前 | 変更後 |
| アプリスキーム(例:myapp://) | iOSに処理を委譲し、インストール済みアプリを起動 | WebViewがリダイレクトを遮断し、 リンクをタップしても何も起きない |
| App Storeスキーム(例:itms-apps://) | App Storeへリダイレクト | Appleの推奨フォーマットであるにもかかわらApple推奨形式にもかかわらずブロック。 ストアドメインも遮断され、iOS版Xのオーガニックからは自動遷移不可ず、ストアのリダイレクトがブロックされている |
標準的なユニバーサルリンクを使えばアプリ起動自体は可能ですが、この方法は他のフローに悪影響を与える可能性があるため推奨されません。つまり、アプリのインストール有無に関わらず、ユーザーにとっては行き止まりの状態となり、広告主やアプリ事業者にとって重大なビジネス影響が発生しました。
なお、この問題はXのiOS版に限定されています。
各アプリは独自のWebViewを持つため、AndroidやSafariなど他環境には影響しませんでした。
解決策の選択肢
このような状況では、リンクの正常な動作が保証されないため、ビジネス上看過できない問題となります。
対応策はいくつかありますが、ここでは主な2つを紹介します。
オプション1:httpsベースのフォールバックによるストアリダイレクト
- メリット:アプリ未インストールユーザーに対して、フローの破綻を防ぐことができ、新規ユーザー獲得に適しています。
- デメリット:既存ユーザーのリエンゲージメントには不向きです。一度ストアを経由する必要があり、余計なステップが増えることでコンバージョン率低下のリスクがあります。
オプション2:自社サイト上に中間ランディングページを設置し、フロー全体のコントロールを取り戻す方法
- メリット:
- 既存ユーザーに対しては、セキュリティおよびパフォーマンスの観点から推奨されるアプリ起動方法(ユニバーサルリンク)を利用できます。
- また、OneLinkテクノロジーを基盤としたAppsFlyerのディープリンクスイートのようなソリューションを活用することで、リンクの管理、計測、そしてこのトラフィックをアプリコンバージョンへアトリビューションすることが可能です。本ソリューションでは、ユーザーがアプリをインストール済みであればアプリへ、未インストールであればストアへリダイレクトできます。
- デメリット:
- ストアへのリダイレクトにおいてプロセスにもう1ステップ追加されるため、新規ユーザーのコンバージョン率が低下する可能性があります。ただし、AppsFlyerのデータ(本事例など)によると、ランディングページを適切に構築したマーケターはパフォーマンスの向上を実現しています。そのためには、新しいページ体験の設計や、色・CTA・メッセージなどのA/Bテストといった時間と労力の投資が必要です。つまり、コンバージョン向上の可能性はあるものの、突発的に既存フローが壊れた状況においては、優先度を割きにくい追加作業が発生します。
選択した代替手段に対応するOneLinkの柔軟なソリューション
AppsFlyerのディープリンクおよびリダイレクトソリューションは、OneLinkテクノロジーにより包括的に対応可能です。
オプション1を選択する場合、URIスキームを「https://」ベースに設定し、アプリの新バージョンをApp Storeにリリースし、af_dpでリンクを設定することが可能です。ただし、前述のデメリットの観点から、この方法は推奨されません。
オプション2では、OneLinkのソーシャルアプリ向けランディングページ機能を活用するのが有効です。OneLinkにより、新規ユーザー獲得(UA)とリエンゲージメントの両方に対応でき、新規・既存ユーザーの双方をカバーできます。また、ランディングページのクリエイティブをカスタマイズし、最も訴求力の高いコンテンツを表示することも可能です。さらに、この機能はAppsFlyerによって完全に管理されているため、開発者のサポートは不要で、すべてセルフサービスで利用できます。
iOSにおける推奨設定はユニバーサルリンクの利用です。リンクが従来URIスキームベースであった場合、以下の一度限りの設定が必要です:
- ユニバーサルリンクのTeam IDをOneLinkテンプレートに設定し、AASAファイルの更新をトリガーする
- アプリの新バージョンをストアにリリースし、ユーザーにアップデートを促して最新のAASAファイルを反映させる
- ユニバーサルリンクのドメインがOneLink設定と一致していることを確認する
まとめ
ディープリンクとリダイレクトは、サイレントアップデートやWebViewポリシーの変更に関係なく、あらゆる環境で確実に動作する必要があります。問題の明確な検知、迅速な検証、そして将来互換性のある推奨対応により、ユーザージャーニーの信頼性を維持することができます。
Xにおけるソーシャルアプリランディングページについて詳しく知りたい方は、こちらをご覧ください。