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アドネットワーク

アドネットワークとは、広告主とパブリッシャー/ウェブサイトをつなげ、価値のあるインプレッションを提供する仕組みです。最も重要な機能は、パブリッシャーの広告インベントリ(供給)を集めて、広告主の広告(需要)とマッチングさせることです。

アドネットワークとは

最も基本的なレベルでは、アドネットワークは言わば仲介役です。つまり、パブリッシャーと広告主の間で広告インベントリの販売を仲介する、オンライン広告専用のプラットフォームということです。 

インターネットの黎明期、アドネットワークはパブリッシャーが余ったインベントリを売り払う手段として使われていました。しかし、ほぼすべてがオンラインで行われるようになった現在では、アドネットワークはプログラマティック広告エコシステムにとって欠かせない仕組みとなりました。

アドネットワークの仕組み

アドネットワークは、パブリッシャーにとっては、売れ残った広告インベントリの買い手を確実に見つけるのに役立つ手段です。一方、広告主にとっては、予算とオーディエンスに適したインベントリを見つけるのに役立ちます。

  1. パブリッシャーは選択したアドネットワークをインストールし、広告主は選択したアドネットワークを通じて広告キャンペーンを設定します。 
  2. 広告主はキャンペーンを作成し、それぞれのパラメーターを設定します。
  3. 広告主は、予算、ターゲティング、フリークエンシーキャップ(一定期間に同じユーザーに広告が表示される上限回数)などを設定できます。
  4. アドネットワークは広告主の要件にもとづき、広告に適したパブリッシャーを決定し、両者を結びつけます。

アドネットワークの種類

幸いにも、広告主やパブリッシャーは、さまざまなネットワークの中から、自分たちのニーズに合ったネットワークを選択できます。希望するオーディエンス、広告の種類、予算といった条件から、適したネットワークを割り出します。 

アドネットワークは主に4つの種類から選択できます。どのネットワークが何を提供しているかを理解することで、選択しやすくなります。

1. ホリゾンタル(水平型)アドネットワーク

このネットワークには広範な領域のインベントリが集められているため、広告主にとっては幅広いリーチの配信が可能です。広告主がターゲティングするスケール、リーチ、そして多くの機会を提供できるのが魅力です。

2. プレミアムアドネットワーク

このアドネットワークは、プレミアムなインベントリと引き換えにプレミアムな価格を期待するパブリッシャーに最適です。トップクラスのパブリッシャーのみと連携し、マッチングさせる広告主も厳選されているのがプレミアムアドネットワークです。

3. 特化型アドネットワーク

バーティカルアドネットワークに似て、特定のインベントリに特化したアドネットワークです。たとえば、動画やモバイル広告フォーマットにのみに対応するネットワークなどです。

4. バーティカル(垂直型)アドネットワーク

バーティカルアドネットワークは、ニッチな広告主と、その分野に関連性の高いパブリッシャーを結びつけます。ホリゾンタルプラットフォームのように幅広い領域を対象としておらず、ニッチな広告主が独自のオーディエンスにより確実にリーチできます。広告主にとって、広告の出稿場所に関する透明性が確保されるネットワークです。

アドネットワークのメリット

あなたがAppsFlyerのエンジニアリングブログを読んでいる場合、アプリデベロッパーかもしれません。その場合はパブリッシャーとしてアドネットワークを活用すれば、マネタイズの大きなチャンスが見込めます。 

あるいは広告主として宣伝したい場合も、アドネットワークを利用すれば、適切な人々へのプロモーションに役立ちます。どちらの場合も、アドネットワークはパブリッシャーが収益を上げ、広告主の利益にもなるプロモーションをサポートする、貴重な仲介役なのです。

さらに、2026年までに6,410億ドルの市場規模に達すると予測されているアプリ市場において、アプリのマネタイズは簡単に決断できる選択肢と言えるでしょう。 

アドネットワークをデジタルマーケティング戦略に組み込むことで、多くのメリットが得られます。しかし、中でも特に重要なのは、これがアプリのマネタイズを支援し、ビジネスが巨大なグローバルマーケティングのパイの一部を獲得する一助となる点です。

パブリッシャーと広告主の双方にとって、このメリットはそれだけの価値があるだけでなく、アプリから収益を生み出せるという付加利益も含まれす。 

パブリッシャーにとってのメリット

  1. 直ちに収益がもたらされる。サイトの準備を整え、1つ以上のアドネットワークに登録すれば、直ちに収益につながります。運用コストをカバーするため、迅速な収益化が必要なパブリッシャーにとって、アドネットワークは選択の容易な答えです。 

    あるいは、もし運営コストが最小限で済んだり、カバーしたりする必要がなくても、アドネットワークを活用すればストレスもなく、すぐに収益が期待できます。
  1. オーディエンスの幅が広がる。成長過程にあるアプリ市場のパイを獲得する最良の方法は、より幅広いオーディエンスセグメントをマネタイズすることです。まさにそれを実現するのがアドネットワークです。広告主は、広告を配信したいオーディエンスやトラフィックの種類を制限しているからです。 

    たとえば、もし広告主が国内の訪問者をターゲットにしたい場合、国内オーディエンス向けのサイトに的を絞るのが理想的です。しかし、もしサイトのターゲットがグローバル市場の場合、こうした制限はパブリッシャーの収益には何の効果もありません。 

    アドネットワークでは補完的にプレミアム広告を即時販売することで、より多くの訪問者グループに広告が提供されるようにしています。こうしてアプリのマネタイズの可能性を制限することなく、広げているのです。
  1. より多くの広告主がサイトを利用する。アドネットワークは、パブリッシャーサイトでのパフォーマンスを高めるため、ターゲットを絞った質の高い広告を提供します。 

    訪問者に提供できる広告クリエイティブの数が多いほど、より多くの「ビューとクリック」が生成される可能性が高まります。結果として、パブリッシャーが得られる収益も増えるというわけです。

広告主にとってのメリット

  1. オーディエンスとパブリッシャーのプールが広がる。広告主は、配信したいオーディエンスの種類とトラフィックに制限を設けているため、獲得するインプレッションの範囲も制限される可能性があります。 
    しかし、アドネットワークを利用することでパブリッシャーの選択肢が増えるため、オーディエンスへのリーチが拡大し、すべてを限られた予算内で実行できます。
  1. ROIが向上する。アドネットワークでは精度の高いマッチングが導入されているため、広告主にとって最も収益性の高い取引を選択できます。

アドネットワークとプログラマティック広告エコシステム

デジタル広告スペースを自動で売買する仕組みはプログラマティック広告エコシステムとして知られ、広告主をアドエクスチェンジや、広告主が常に追求している価値の高いインプレッションと結びつける役割を果たします。 

このエコシステムは、RTB(Real-time bidding / リアルタイビディング)、DSP(Demand side platform / デマンドサイドプラットフォーム)、SSP(Supply side platform / サプライサイドプラットフォーム)、DMP(Data management platform / データ管理プラットフォーム)から構築されます。

アドネットワークとプログラマティックエコシステムという概念は、それぞれ異なることに注意してください。 

アドネットワークは手動で実行されるため、人の介入が必要です。多くの場合、マネージャーが広告クリエイティブの承認やキャンペーンの設定を担っています。 

プログラマティック広告がより高度化するにつれ、将来的に、アドネットワークは時代遅れになるかもしれません。また、アドネットワークはプログラマティック広告エコシステムではなく、プログラマティックダイレクトカテゴリに分類されるにもかかわらず、エコシステムの別の一部だと混同されることも珍しくありません。

アドネットワークとアドエクスチェンジ

アドエクスチェンジは、プログラマティック広告のためのデジタル市場です。アドネットワークは多数のパブリッシャーからのデジタルインベントリを管理したり、アドエクスチェンジからの大量の広告インプレッションを購入して広告主に再販します。

一方、アドエクスチェンジは、デジタル広告を売買するための、より透明性と効率性に優れた手段です。アドエクスチェンジではパブリッシャーがインプレッションに対して最良の価格が得られるよう、アルゴリズムが支援します。 

同時に、広告主がパブリッシャーと直接あるいは手入力で購入の交渉をすることなく、適切なコンテキストかつ適切なタイミングで、ターゲットオーディエンスにリーチできます。 

つまり、広告主はアドエクスチェンジを介して、モバイルアプリ、モバイルウェブサイト、通常のウェブサイト上などのさまざまな広告枠を、一元的に購入できるということです。

アドネットワーク、DSP、SSP

DSPとSSPはプログラマティックエコシステムの一部であり、RTBテクノロジーを採用しています。アドネットワークの大半は依然として完全に手動のため、RTBおよびプログラマティックメディアバイイングに参加するにはDSPが必要です。

DSPを利用することで、広告主は1つではなく複数のRTBネットワークでキャンペーンを管理しながら、動画やモバイル、検索広告のインベントリを購入および管理できるようになります。 

DSPはSSPと連動してプログラマティック広告を利用可能にし、SSPはパブリッシャーが販売可能なインプレッションや広告インベントリを収集するサポートを行います。

一方、アドネットワークは、インベントリを集めた仲介役であり、機械学習やアルゴリズムではなく、人の手を介して機能します。

アドネットワークとアドサーバー

アドネットワークとアドサーバーの違いを理解するには、アドネットワークがアドサーバーを利用しているという仕組みを理解するのが一番の近道です。

アドサーバーとは、広告主にとって特定のサイトやアプリに広告を掲載し、パブリッシャーにとってはこれらの広告を適切に管理できるようにする技術です。このアドサーバーという技術を利用して、広告および、販売可能なパブリッシャーのインベントリを管理するのがアドネットワークです。

適切なアドネットワークの選び方

アドネットワークは多数存在するため、どれを選べばよいのか迷うことがあるかもしれません。しかし、アドネットワークを選ぶ前に以下の4つの点を考慮しておけば、さほど混乱せず適切な選択ができるようになるでしょう。

  1. 広範な広告主の目に留まるかどうか。自身のサイトがニッチであるかグローバルであるかにかかわらず、この点は考慮しましょう。インベントリに入札する広告主が多ければ多いほど、価値のあるインプレッションをより高値で販売できる可能性が高まります。

    たとえば、パブリッシャーのインベントリが豊富であれば、そのアドネットワークは、広告をウェブサイトに適切にマッチングできる機会も豊富だということです。このプロセスはCTR(コンテクスチュアルターゲティング)と呼ばれ、トピックやキーワードなどの言語的要素をもとに、広告をディスプレイネットワークの関連サイトにマッチングさせるプロセスを意味します。

    広告主のプールが多ければ、より優れたコンテクスチュアルターゲティングを利用できるだけでなく、より広範な地域の広告主が入札することになります。これは最終的にはインベントリの売れ残りを減少させることにつながり、パブリッシャーと広告主の双方がこのメリットを享受できます。
  1. 多様な広告フォーマットを利用できるかどうか。必要なフォーマットが決まっていない場合でも、さまざまな方法で広告を表示できるアドネットワークを探しましょう。そうすれば、その後に時間をとってテストを行い、最適なフォーマットを見つけられます。 

    広告のパフォーマンスに関して言えば、あるフォーマットがすべてに最適なわけではありません。複数の広告フォーマット(リッチメディア、ビデオロール、インタースティシャルなど)を利用できるアドネットワークなら、パブリッシャーとクリエイティブの双方がマネタイズできる可能性を最大限に高められます。 
  1. RTBやプログラマティック広告に匹敵するかどうか。プログラマティックエコシステムはいまや、従来のアドネットワークにとって代わる存在となりつつあります。そのため、パブリッシャーは自動で広告を売買することの価値を理解しておく必要があり、アドネットワークを検討してコミットしようとしている場合、この理解はとりわけ重要です。
  2. プログラマティックバイイングとリアルタイム入札は、パブリッシャーがより多くの収益を上げるのに役立ちます。従来のアドネットワークで同様の成果を得るのは間違いなく困難です。こうした理由から、アドネットワークを選んで設定する前には、どのような技術がアドネットワークで利用でき、アドネットワークと連動させられるのかを理解することが不可欠なのです。

パブリッシャーと広告主によく利用されるアドネットワーク

適切なアドネットワークを選ぶ条件がわかったところで、以下では最も一般的な10のアドネットワークを紹介します。

パブリッシャーサイド

アドテクノロジーは今も進化し続けています。このテクノロジーを活用してより多くの収益を挙げたいパブリッシャーには、以下の優れたアドネットワークがおすすめです。

  • Google AdSense
  • Facebook広告
  • Media.net
  • AdThrive
  • Amazonアソシエイト

広告主サイド

質の高い広告で消費者を引き付けたい広告主に、比較的よく使われているアドネットワークです。

  • Apple 検索広告
  • Spotify 広告
  • AdRoll
  • Facebook広告
  • TikTok広告

重要なポイント

アドネットワークは残念ながら、プログラマティック広告エコシステムほど急速には進化していません。そのため、アドネットワークを検討している場合、以下の点を念頭に置いておくことが重要です。

  1. アドネットワークとは、パブリッシャーのインベントリを集約した、パブリッシャーと広告主の仲介役です。
  2. 主なアドネットワークは、ホリゾンタル型、プレミアム型、特化型、バーティカル型の4種類です。
  3. プログラマティック広告ほどではないものの、アドネットワークにもパブリッシャーと広告主の双方にとって大きなメリットがあります。
  4. 機械学習とアルゴリズムに依存するプログラマティックエコシステムとは対照的に、アドネットワークには依然として人の介入が必要です。
  5. アドネットワークを利用する前に、ネットワークの範囲、利用可能なフォーマットの多さ、RTBと競合できるかどうかを必ず検討するようにします。
Background
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