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DSP (Demand side platform)

DSP(Demand side platform / デマンドサイドプラットフォーム)は、広告主がデータエクスチェンジアカウントと複数のアドエクスチェンジアカウントを1つのインターフェイスで管理できるようにするソフトウェアプラットフォームです。広告主にとっては質の高いインプレッションを最小限の摩擦で大規模に購入できる、効果的なマーケティングオートメーションツールです。

DSP (Demand side platform)とは

デマンドサイドプラットフォーム(DSP)とは

DSP (Demand side platform / デマンドサイドプラットフォーム)は、パブリッシャーから購入できる広告インベントリを提供するマーケットプレイスとして機能し、広告主が動画広告、モバイル広告、検索広告などの広告インベントリを購入および管理するために利用します。

DSPを利用すると、1つだけでなく複数のリアルタイム入札ネットワークで広告を管理できます。また、サプライサイドプラットフォーム(購入可能な広告インベントリをパブリッシャーが提供するためのソフトウェア)と連携して、プログラマティック広告を可能にします。

DSPの仕組み

DSPは、AIと機械学習を活用して、広告主が最適な価格で最適な場所に広告を出稿できるよう、媒体を選定します。同時に、こうした広告が最もクリックとコンバージョンを獲得できそうなオーディエンスをターゲティングします。

DSPとプログラマティック広告エコシステムが登場するまで、広告主は手作業でパブリッシャーやプラットフォームと交渉や調整を行う必要がありました。つまり、オーディエンスと配信の最適化は、人間の労働力の限界によって制限されていたわけです。 

しかし、プログラマティック広告とDSPが登場したことで、広告が自動で配信できるようになりました。

DSPはいわば、広告主とパブリッシャーの関係を促進するツールです。DSPの機能のおかげで、広告主は特定のユーザーをターゲティングし、彼らの主要なオンライン行動にもとづいて選定された幅広いパブリッシャーサイトから、インプレッションを購入できるようになりました。

たとえば、Facebook広告では、新しい食洗器を探しているユーザーをどのように見つけるのでしょうか。 

Facebookは同意したユーザーのデータを収集することで、広告の配信時にさまざまなターゲティングオプションを採用できます。DSPの仕組みもまさにそれと同じです。ただし、Facebook広告の配信先は同社のサイトに限られますが、DSPでは広告クリエイティブの配信先は1つではなく、はるかに大規模な複数のパブリッシャーサイトに配信できます。

DSP と SSP

DSP と SSP

DSPと対の関係にあるのが、SSP (Supply side platform / サプライサイドプラットフォーム)です。SSPを利用するのは、広告枠を販売(供給)するパブリッシャーです。一方、DSPはすでに述べたように、広告インベントリを購入(需要)したい広告主が利用します。

DSPとSSPはアドエクスチェンジを介して接続され、ここでDSPは広告インベントリにオークション形式で自動入札します。広告主はDSPによって複数のアドエクスチェンジで一度に購入でき、パブリッシャーはSSPによって、さまざまなアドエクスチェンジで広告インベントリを販売できます。

DSPの種類

DSPには主に、モバイル、ホワイトラベル、セルフサービスという3つの種類があります。モバイルインプレッションの購入から第三者の排除など、それぞれが異なる広告ニーズにしっかり対応しています。

モバイル DSP

モバイルDSPは既存のDSPエコシステムの一部であり、独立したプログラムではありません。したがって、モバイルDSPという場合は、一般的なDSPのうち、モバイルインベントリを処理する機能を指しています。

モバイルDSPは、モバイル向けアドエクスチェンジに接続されています。つまり、モバイルDSPではアプリパブリッシャーやアプリデベロッパーが自社のインベントリを提供し、広告主はモバイルおよびタブレットで購入可能なインプレッションにアクセスできます。 

どのインプレッションが広告主にとって価値があるかは、DSPが自動的に分析して判断します。入札が成立すると、アプリの初期化、ダウンロード、または起動時に、広告クリエイティブが配信されます。

ホワイトラベルDSP

広告主の特定のニーズに合わせてカスタマイズできるDSPです。

ホワイトラベルDSPは、契約ではなく購入する形態のプラットフォームです。購入後すぐに利用でき、カスタマイズも可能な白紙の状態で販売されています。よって、他のDSPで使われている既存のアルゴリズムではなく、独自に広告配信用のプログラマティックアルゴリズムを設計できます。 

さらに、複数のアドエクスチェンジやSSPと必要なだけ連携させられるため、オーディエンスセグメントとトラフィックの多様化と拡大も実現できます。

セルフサービスDSP

セルフサービスDSPはホワイトラベルDSPと同様、広告インベントリの選択からターゲティング、キャンペーンの管理まで、広告購入プロセスを広告主が完全にコントロールできるDSPです。

ただし、ホワイトラベルDSPとは異なり、プログラムを使って広告インプレッションの購入を簡単に始められるため、参入したばかりの小規模な代理店や広告主に最適です。 

セルフサービス DSP を購入して設定を調整し、広告クリエイティブをアップロードすれば、準備は完了です。

セルフサービスDSPは、購入ではなく契約するプラットフォームです。広告キャンペーンの処理に第三者が関与することはありません。代わりに広告主自身がキャンペーンを最適化し、広告を取引します。

DSPの4つのメリット

DSPのメリットは使用する種類によってさまざまですが、ここでは汎用的な4つのメリットをご紹介します。

広告購入者にとってより効率的なワークフロー

DSPと、より大規模なプログラマティックエコシステムにより、広告購入のプロセスが簡素化されます。バイヤーは15人もの別の営業担当者との議論や、それに伴う契約書、Excel文書、PDFの処理、価格交渉をすることなく、単一のプログラムで作業し、ワークフローを簡素化できます。 

ボタンをいくつか押すだけで、メディアからのリクエストが送信されます。企業はインフラストラクチャを再構築することなく、既存のインフラストラクチャに簡単に接続できます。

コストの削減

DSPでは、交渉など、広告購入における従来の(および時間を浪費する)要素が排除されて迅速になったため、広告主は時間と費用の両方を節約できます。

アクセスの拡大

あらゆるアドエクスチェンジを網羅:DSPを介すことで、1つのインターフェイスで複数のアドエクスチェンジに同時にアクセスできます。

洗練されたターゲティング

従来のアドネットワークでは、そのオーディエンスターゲティング機能が広告主の可能性を制限していました。それによって、潜在的なオーディエンスセグメントと広告主のリーチを制限することになるからです。

これとは対照的に、DSPでは広告主が広告の独自のターゲティング基準を自由に作成できます。

プログラマティック広告エコシステム

DSPとプログラマティック広告エコシステム

プログラマティック広告とは、デジタル広告枠の売買が自動化された仕組みのことです。 

広告主とアドエクスチェンジ、および広告主が求める価値あるインプレッションを結びつけるため、リアルタイム入札、DSP、SSP、DMP(データマネジメントプラットフォーム)などが集約して組み込まれたエコシステムです。

RTB (Real-time bidding / リアルタイムビディング)

DSPによる広告インプレッションへの入札を、自動で行う仕組みのことです。入札は見込み客がページにアクセスしてから、そのページが完全に読み込まれるまでの数ミリ秒の間に実施されます。 

DSPはアクセスから読み込みまでの数ミリ秒の間に、予算やデモグラフィック基準にもとづき、複数の広告主からの入札を管理します。落札者の広告が、配信先に出稿されます。

プログラマティックダイレクト

プログラマティックダイレクトとは、オークション方式ではないプログラマティック広告です。RTBとは異なり、パブリッシャーが広告主と固定価格を直接交渉し、一定期間、広告枠を販売します。

プログラマティックダイレクトのメリットは、広告主がプレミアムウェブページでの広告インプレッションを保証されることです。このモデルでは、パブリッシャーと広告主が双方にとって公平なCPM (cost per mille)を交渉します。

リアルタイムビディングよりプログラマティックダイレクトの方が適している好例として、クリーンなイメージで人気のブログが、オーガニック食料品店に広告枠を販売する場合が挙げられます。 

パブリッシャーは広告主のターゲットオーディエンスに関連した広告枠を提供でき、広告主にとっても一定数のインプレッションが保証されるため、双方にとってメリットがあるというわけです。

DSP と広告ネットワーク

アドネットワークは、広告枠の供給を集約して広告主の需要とマッチングさせることで、広告主とパブリッシャーをつなげる仕組みのことです。 

アドネットワークはアドエクスチェンジと混同されがちですが、後者はデジタル広告を売買するためのデジタルマーケットプレイスですので、区別しておきましょう。

アドネットワークは現在、プログラマティック広告およびDSPと併存していますが、プログラマティック広告がより進化するにつれ、時代遅れになるかもしれません。

その理由は、アドネットワークは(DSPとは違い)自動化されておらず、多くの手作業が必要だからです。アドネットワークにおいては、メディアバイヤーが個人的な管理者です。彼らがクリエイティブやキャンペーンの詳細を承認し、キャンペーンを手がける責任を負っているのです。

DSP と DMP (データ管理プラットフォーム)

DMPとは、ブラウザのCookieなどの識別子やAppleのモバイル識別子であるIDFAなど、幅広いオーディエンスソースからのデータを蓄積し、分析するプラットフォームです。 

この情報はDMPからマーケターのDSPに送られ、誰にどの広告コンテンツを配信するかについての情報提供が行われます。

適切なデマンドサイドプラットフォームの選び方

適切なDSPの選び方

DSPの仕組みを知るだけでは、戦略の半分を理解したに過ぎません。どのDSPが自社に適しているかはどう判断すればいいのでしょう。

適切なDSPを選ぶためには、下記の3点を検討します。

1. 基本的な機能が搭載されているか

最も基本的なレベルでいえば、DSPにはユーザーフレンドリーなインターフェイス、オーディエンスターゲティングを制限しないオプション、そしてDMPと簡単に統合できる機能が必要です。

2. 特定のKPIを最適化できるか

独自イベントのレポート作成、複数の目標を同時に最適化できるなどの機能を活用できれば、企業にとって意義のあるKPIのパフォーマンスを向上させられます。

たとえば、ブランド認知度を高めたい企業の場合、インプレッション、サイト滞在時間、ユニークユーザー数などを計測できる、堅牢なKPI管理画面を備えたDSPを選択する必要があります。

3. 必要なインベントリにアクセスできるか

どのDSPを決定するにも、おそらく最も重要な要素は、提供されるインベントリでしょう。必要なインベントリにアクセスできなければ、必要なオーディエンスにもアクセスできません。 

DSPが提供するインベントリとメディアチャネルのタイプについても同じことが言えます。

広告インベントリに必要なのは、購入可能な量と種類の両方です。たとえニッチな市場であっても、質の高いインベントリを提供しているDSPを見つけることが重要です。 

デジタル広告主にとって質の高いインベントリとは、質の高いパブリッシングコンテンツの隣に広告が配信されることです。たとえば、確立されたブランドや人気のあるニッチなサイトに広告が並べば、その広告を完全に無視するオーディエンスでなく、クリックからコンバージョンにいたる可能性が高いオーディエンスの目に留まることが確実になります。

利用できるDSPの種類(上記)を把握することで、ニーズに最も適した価値あるインベントリは、どのDSPで購入できるかを知るのに役立ちます。パブリッシャーとの直接取引(プログラマティックダイレクト)やSPO(サプライパス最適化)などの戦略を介してこれを実現するのが、理想的なDSPです。

現在マーケットで利用できる9つの優れたDSP

プログラマティック広告は、オンライン広告の未来と言われるほど大幅な成長を遂げつつあります。よって、広告主にとっては、さまざまなプログラマティックプラットフォームの選択肢を把握しておくことが重要です。

ここでは現在市場で利用できるモバイル、ホワイトラベル、セルフサービスのDSPから、特に優れたプラットフォームをいくつか紹介します。

モバイルアプリのパフォーマンスのキャンペーンに適した主なDSP

広告主の戦略とメディアプレースメントについて透明性の高い分析ができることは、モバイルDSPにとって不可欠です。現在、特に優れているのは以下の3つのプラットフォームです。

  • Smadex
  • 3.14
  • Bidease

主なホワイトラベルDSP

広告トラフィックをより詳細に管理したい、複数の広告アカウントを作成する機能やカスタマイズ可能な追加オプションがほしい、また全体的な費用を抑えたいというマーケターにとっては、ホワイトラベルDSPが最適です。

ホワイトラベルDSPなら、第三者に頼ることなく広告を管理できます。また世界中でトラフィックを購入したり、リーチを制限されることなく自由にオーディエンスセグメントをフィルタリング、およびカスタマイズすることも可能です。

最適なプラットフォームは下記の3つです。

  • SmartyAds
  • AdKernel
  • Beeswax

主なセルフサービスDSP

広告買い付けやメディアバイイングを始めたばかり、あるいは複数アカウントに対応したDSPが不要な場合は、セルフサービスのDSPを選ぶと、利用しながら学んでいくことが可能です。

最適なプラットフォームは下記の3つです。

  • Edge226
  • Platform.io
  • Epom Market

重要なポイント

DSPとプログラマティック広告のエコシステムには業界独自の専門用語があふれており、業界そのものと同じくらい急激に進化しています。とはいえ、不安になることはありません。以下のことをよく覚えていてください。

  • DSPを活用すると、広告主は最小限の摩擦で高品質のトラフィックを大規模に購入できます。
  • DSPには、モバイル、ホワイトラベル、セルフサービスという3つの主な種類があります。
  • DSPを利用することで、広告の売買を効率化し、広告コストを削減し、広告主のアクセスを拡大できます。また洗練されたターゲティングで消費者を絞り込めます。
  • アドネットワークは、プログラマティック広告とDSPにより、やがて時代遅れになるでしょう。
  • 自社の目的を理解することで、最適なDSPを選択できます。
Background
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