「レジで3秒」戦略:OneLinkが支えるファミリーマートのオムニチャネル進化

Familymart Case Study featured image

2倍に向上

QRコード経由のクーポン利用率が

1/3に短縮

QRコード経由のクーポン引き換えにかかる時間が

背景:店舗起点でアプリユーザーを拡大する

ファミリーマートは日本最大級のコンビニチェーンであり、全国に約16,000店舗(2025年6月時点)を展開しています。公式アプリ「ファミペイ」は、QRコード決済、デジタルクーポン、ポイント連携などを提供し、日々の買い物をよりスマートかつシームレスな体験にしています。

ファミペイの運営においては、アクティブユーザー数を主なKPIとして設定しています。これらの指標を高めるために、ファミペイではポイント付与やデジタル広告と連動したキャンペーン施策を継続的に展開し、新規ユーザーの獲得はもちろん、継続的な利用促進にも力を入れています。

さらに、ファミリーマートならではの強みであるリアル店舗を活用し、QRコードを通じたアプリダウンロードの導線を設置しています。店頭での接点を起点に、オンライン上のアプリ体験へと自然につなげることで、オフラインとオンラインを融合したマーケティング施策の強化にも取り組んでいます。

課題:不完全なQRの導線が招くユーザー体験の悪化

ファミペイのエンゲージメント施策の1つとして、レシートに印字されたQRコードをスキャンしてクーポンを取得・利用できる仕組みがありました。当初はFirebaseを用いてキャンペーンの効果測定を行っていました。

しかし、Firebase Dynamic Links が2025年8月25日に廃止予定となり、既存のディープリンクを差し替える対応をしなければ、ユーザー体験を大きく損ない、ビジネス成果に悪影響を与える恐れがありました。

さらに、2023年に Firebase が Dynamic Links の廃止に伴い、App/Universal Links への移行を推奨した際に、パラメータ処理方法やディファードディープリンクの挙動が変化し、計測精度に影響が出始めました。特に、QRコードを用いた新規ユーザー獲得キャンペーンにおいて、正確な実績を捕捉できない恐れが生じました。

さらに、ユーザビリティの課題もありました。ユーザーはアプリを開き、手動でクーポンコードを入力しなければならず、店舗で、購入前に表示するという環境では非効率でした。アプリを開いていなくてもQRコードをスキャンだけで、アプリが起動し、クーポンコードが自動入力される仕組みが求められていました。

結果:AppsFlyer’s Deep Linking Suite による2倍のクーポン利用率とスムーズなUXの実現

これらの課題を解決するため、ファミペイチームは OneLink テクノロジーを搭載した AppsFlyer’s Customer Experience and Deep Linking Suite を採用しました。

QRコードにキャンペーンコードを直接埋め込み、スキャン時にアプリが自動起動し、クーポンコード欄にを自動入力する仕組みを実装しました。これにより、レジ前の数秒の間でもスムーズにクーポンが利用できるようになりました。

さらに、OneLink APIによって柔軟なリンク生成が可能になり、社内システムとの連携や保守性も向上。開発工数の削減と運用効率の改善も実現しました。

技術的な効果だけでなく、AppsFlyerのサポート体制も大きな価値を提供しました。:

「Firebase からの移行は AppsFlyer のヘルプページと個別のサポートのおかげでスムーズかつ体系的に進められました。大規模な開発負荷や摩擦なく運用を維持でき、安心感を得られました。」

— 山岸 英子様(システム本部)

クーポンキャンペーンはアプリ活性化における重要施策であり、ユーザー体験の最適化は不可欠です。ファミペイチームの夏目様は次のように語ります。:

「コンビニは、お客様の滞在時間が非常に短いんです。だからこそ、クーポン取得に時間や手間がかかってしまうと、認知されていても実際に使ってもらえません。現在はレジ前でレシート上のQRを読み込むだけでクーポンコードが自動で入力された状態になり、読み込みにかかる時間は従来の約1/3に短縮されました。結果的に、レシートからの読み取り率は従来比で2倍以上になりました。」

—夏目 拓海 様(ファミペイ推進グループ)

こうしたユーザー体験と運用業務の効率化改善により、ファミペイのマーケティング施策の拡張性が大幅に向上しました。

ファミリーマートは、OneLinkを中心とするAppsFlyerのDeep Linking Suiteを、店舗とデジタルの接点をつなぐ鍵であると位置づけています。

ファミペイを通じて顧客との接点を深めることで、アプリの体験が実店舗での来店や購買へと自然につながっていく設計を実現できます。現代の消費者はオンラインとオフラインを自由に行き来するため、「アプリから店頭」、「店頭からアプリ」という循環をつくることが今後も重要です。

今後も、OneLinkの仕組みを活かしながら、来店促進やクーポン活用、季節ごとの商品キャンペーンなどを軸としたアプリ連動施策をさらに強化していく方針です。

「店舗起点でどれだけアプリユーザーを獲得できたかは、私たちにとって非常に重要なKPIです。AppsFlyerではその可視化ができる。これからも継続的に活用していきたいです。ファミペイにはまだ大きな成長の余地があります。」

— 栗原 雄介 様(ファミペイ推進グループ マネージャー)

リアルとデジタルをスムーズにつなぐ体験こそが、持続的な成長の鍵であり、OneLinkはその変革の中心にあります。

「Firebase Dynamic LinksからAppsFlyerのDeep Linking Suiteに切り替えた際に、レシートのQRコードをスキャンするだけで、即座にクーポンコードが適用されるようにしました。
アプリ内のクーポンページ表示と引き換えにかかる時間は1/3に短縮され、ディープリンクの安定運用だけでなく、アプリ起動率も2倍以上に向上しました。」

— 夏目 拓海 様(ファミペイ推進グループ)

QRコードは株式会社デンソーウェーブの登録商標です。

Background
あなた自身のサクセスストーリーを作る準備はできましたか?