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ウェブとアプリをつなぐピープルベースドアトリビューションの2つの活用事例

執筆者 Minnie Katzen Mayer
ウェブとアプリをつなぐ2つのPBA活用事例

モバイルの利用が増える一方ですが、ウェブの役割がなくなったわけではありません。時計やテレビ、ポケットの中から世界とつながることができる便利な世の中になりましたが、カスタマージャーニーにおいて、デスクトップとモバイルの両方のウェブが今も重要な役割を果たしています。

ウェブは依然として、ブランドの発見、調査、意思決定の全体のプロセスにおいて、最も包括的なプラットフォームです。クロスプラットフォームマーケティング戦略では、ウェブを利用していた顧客を、最終的にネイティブアプリに移行させ、コンバージョンアクティビティへ誘導するのが一般的です。

マーケターにとって、これにはメリットと問題点の両方が存在します。有料トラフィックをウェブサイトに引き込むことは、通常、有料アプリダウンロードキャンペーンを実施するよりも安価です。つまり、質が高く関連性も高いトラフィックをウェブサイトに誘導する方が高い費用対効果を得ることができます。一方、顧客のブランドロイヤルティはネイティブアプリを使用しているほうが育ちやすく、コンバージョン率と売上はウェブよりアプリの方が高くなることがわかっています。では、マーケターは、この2つの事実をどう組み合わせれば、ウェブとアプリの両方のメリット(英語)を同時に引き出すことができるのでしょうか?

それでは、典型的なユースケースを見ながら考えてみましょう。

ユースケース#1:複数の点を線でつなぐeコマース

eコマースは、世界で最も急速に成長している産業の1つで、おおよそ 20%の前年比成長率で売上が伸びています(英語)。しかし、この爆発的な成長とともに、小売業者は新たな課題に直面しています。 eコマースの顧客は、デスクトッのウェブやモバイルのウェブ、アプリなど、複数のオンラインプラットフォーム間を行き来します。さらに、店内で商品を見ながら、電話で同じ商品のレビューを検索したり、価格を比較したりするなど、オフライン(実店舗)とオンラインのエンゲージメントを混在させる場合もあります。

小売業者は、オフラインとオンラインに散らばったエンゲージメント(点)をつなぐことを試みながら、クロスデバイスだけでなくクロスプラットフォームでのオンラインのカスタマージャーニーも想定しなければなりません。ブランドのネイティブアプリに顧客を誘導するのは良い結果につながる可能性が高いでしょう。2020年には、eコマースでの購入(英語全体の67%がモバイルで行われると予測されています(そして、コロナウィルスの感染拡大によるロックダウンの影響で、その数字はさらに高くなる可能性があります)。さらに、ネイティブショッピングアプリのコンバージョン率は、モバイルウェブと比較して3倍高くなっています。

eコマースアプリに費やす時間の割合 - eMarketer

一方ウェブは、ユーザーにブランドを見つけてもらい調べてもらうと言う点で強力なプラットフォームであり、宣伝費用もかなり安価です。ウェブ広告の購入、管理、最適化を行うツールが充実していることもあり、多くのブランドが長年ウェブキャンペーンに予算を投じてきました。

実店舗からモバイルブラウジング、アプリ内購入にいたるまで、すべての計測とユーザーエクスペリエンスを統合し、買い物客に統一感のあるショッピング体験を提供するオムニチャネル小売戦略をeコマースのマーケターは策定しなければなりません。ネイティブアプリでの購入をユーザーに促すことのメリットは明らかであり、これを目標にマーケティング戦略を策定するのが良いでしょう。

ソリューション:ピープルベースドアトリビューションは、ウェブからアプリへのユーザージャーニーの全体像を描くのに役立ちます。また、ネイティブアプリのインストールに貢献したウェブでの訪問および最初のメディアソースを特定できます。モバイルウェブバナーを使えば、ウェブの訪問者をアプリのダウンロードに誘導(魅力的なインセンティブを利用するのも効果的かもしれません)できるので、コンバージョン、収益、およびブランドロイヤルティを向上させることができます。

ユースケース#2:バンキングアプリのシームレスなオンボーディングの推進

デジタル革命に出遅れていた感はあるものの、ファイナンスとバンキングは最も急速に成長しているモバイル産業となりました。ファイナンスアプリのユーザーアクティビティは過去5年間で354%増加しており、まもなくモバイルは、ユーザーがアカウント管理で最も使用するチャネルになると予測されています。興味深いことに、モバイルバンキングユーザーがデスクトップサービスや店舗サービスよりもアプリの利用を好む主な理由の1つに、アプリでの高度なパーソナライズ(英語)があります。

ファイナンスアプリには、次の2つの主要カテゴリがあります。

  • モバイルファーストのフィンテックアプリ(ピアツーピア決済や仮想ウォレットを提供するアプリなど)
  • 実店舗またはウェブベースで提供していたサービスをモバイルで提供するバンキングアプリ(アクセスオプションを増やすためにモバイルアプリを提供)

上記の2カテゴリのうち、すでにあるサービスのアクセスを補う形でモバイルアプリを提供しているバンキングアプリにとって、ユーザーの「ウェブからアプリへの移行」は重要な課題となります。この場合、ユーザーがアプリにアクセスできるようになるのは、何らかの関係をブランドと確立した後(顧客になった後、アカウントの作成後、あるいはサービスへのサインアップの後)になります。

アプリを利用すれば、顧客のニーズと使用パターンに合わせた優れたユーザーエクスペリエンスをスムーズに提供できるようになります。これと同じことを実現するのは、カスタマイズオプションが制限されているモバイルウェブでは困難です。アプリ開発では、モバイルソフトウェア内部においても、そして開発に関わるサードパーティベンダーにおいても、厳しいセキュリティおよびプライバシー対策をとらなければなりません。

これらのアプリは、リテンション、情報、アップセルにおいて、効果的であることが証明されています。ウェブとアプリのジャーニーを結び付け、アプリのインストールに貢献したウェブ訪問とアクティビティを正しく紐付けることができれば、適切なタイミングで商品をお勧めしたり、お得な情報を提供したりするだけでなく、ユーザーエクスペリエンスとパーソナライゼーションも向上できるようになります。

ソリューション:プライベートでセキュアなエンドツーエンドのソリューションを用いて、セキュアなオンボーディングプロセスを用意しウェブからアプリへのジャーニーをつなぎます。何らかの関係をブランドとの間に確立した後にアプリを訪れる顧客に対し、優れたユーザーエクスペリエンスを提供することで、ロイヤルティを醸成することができます。プラットフォームが変わってもユーザーIDを維持して認識できるようにすることで、移行がスムーズになり、バンキングアプリでのアップセルとリテンションが容易になります。

ウェブからアプリへの移行 or ウェブとアプリの併用

ここで紹介した課題とソリューションは、eコマースアプリとファイナンスアプリに限った話ではありません。ほとんどすべての業界が、同様の問題を経験しています。マーケティングツールやソリューションを複数利用していても、計測とアトリビューションは常に大きな課題です。目標が、ネイティブアプリへユーザーを誘導することであっても、どのプラットフォームにおいても一貫したユーザーエクスペリエンスを提供することであっても、フルスタックのマーケティングソリューションを利用することで、推測や勘でマーケティング判断を下す必要がなくなります。

ピープルベースドアトリビューションについて (英語)>

Minnie Katzen Mayer

Minnieは、コンテンツマーケティングとプロダクトマーケティングの分野で10年以上の経験を持つマーケティングストラテジスト。AppsFlyer入社以前は、Payoneerや複数の新興企業でコンテンツマーケティングを主導していました。
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