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DAU (Daily active users)

DAU(Daily active users / 1日あたりのアクティブユーザー数)は、24時間あたりにアプリを利用したユニークユーザー数を意味します。DAUは通常、ユーザーが日常的にアプリを利用することが想定されるビジネス(ゲームなど)で用いられます。

DAU (Daily active users)とは

詳しく見ていきましょう。アクティブなアプリユーザーの定義は、アプリをダウンロードしてアクセスしたことがあるユーザーです。実際の定義は業種やブランドによっても異なりますが、アクティブユーザーのインタラクションとして最も一般的な例は、アカウントへのログインです。 

一方、オンラインバンキングアプリでは、インタラクションが「送金」と定義されることもあります。あるいは、Eコマースアプリでは、商品をカートに入れること、SaaS企業では、ソフトウェアの利用状況がユーザーアクティビティの指標と定義されるかもしれません。

いずれの場合も、アクティブユーザーを識別するには、IDFA(iOS 14以上の同意したユーザー)、メール、ユーザーID、Cookie(ウェブユーザーの場合)、またそのいずれかが認識できない場合はこれらの組み合わせといった、個人に固有の識別子が使われます。

多くの企業では、DAUは成功の指標と見なされます。日常的にアプリを利用するユーザーが多いほど、そのアプリは「定着率が高い」と考えられるためです。 

DAUの算出方法

DAUの算出方法

DAUの計算は簡単そうにも見えますが、定義したアクティビティによっては、より複雑になることもあります。 

まずは以下のステップで始めてみましょう。

  1. アクティブユーザーの条件を定義する。
  2. 計測したいエンゲージメントの頻度を定義する(このケースではDAU)。
  3. データを収集する:選択した分析ツールを使ってデータを収集し、選択した日にアクティブユーザーの条件を満たしたユニークユーザー数を合計します。

次に、DAUの活用事例を説明します。

  • 条件:アプリユーザーがボタンをクリック、スワイプ、またはスクロールすること。
  • エンゲージメントの頻度:DAU
  • X日目に以下のエンゲージメントが記録される。
    • ユーザー1がボタンをクリックした後、アプリを閉じた。
    • ユーザー2がアプリにログインしたが、その後アイドル状態のままだった。
    • ユーザー3がアプリにログインし、スクロール、スワイプ、またはボタンをクリックした。
    • ユーザー1がアプリに再度ログインし、別のボタンをクリックした。
  • 結論:DAUには2人がカウントされます。なぜでしょうか?
    • ユーザー1は、アクティブユーザーです(1度のみカウントされます)。
    • ユーザー2はアクティブとは見なされません。
    • ユーザー3はアクティブユーザーと見なされます。

DAUの計測は、企業の長期的な成長目標とビジネスモデルを大きく左右するということを心に留めておきましょう。 

ビジネス目標が異なれば、アクティブユーザーの条件も異なります。

DAUが必要な理由

DAUが必要な理由

DAUが増加しているのは、現在の方針や戦略が適切だという良い兆候です。 

DAUを長期的にトラッキングすることで、キャンペーンの効果、アプリの人気、成長の可能性、アプリやウェブのカスタマー体験を評価するのに役立ちます。 

DAUはまた、他の重要な指標にも関係します。たとえば、LTV(顧客生涯価値)を算出するにはリテンション率を決定する必要がありますが、リテンション率はDAUに依存しています。

つまり、DAUはアプリの全般的な健全性を測る基本的な指標です。DAUの傾向を把握できれば、企業はユーザーのニーズを満たし、ユーザーにとっての企業価値を高められるというわけです。

DAUの限界

DAUの数値だけを指標にすると、状況を読み誤る可能性があります。DAUの数には企業の定義が大きく関係しているため、アクティブユーザーをどう定義するかで、計測結果は大きく変動するからです。 

DAUの数が急上昇しているのを見れば、すべてが順調だと思いたくなるでしょう。しかし、DAUの増加傾向には懐疑的であるべきで、特に他の基準がそれほど良好でない場合は注意が必要です。

直感的には理解しにくいかもしれませんが、アクティブユーザーと深いつながりのあるユーザー、満足しているユーザーは、必ずしも同じではありません。また「アクティブユーザー」の定義はブランドによって異なるため、統計とは比較できませんし、すべきでもありません。 

DAUがブランドに欠かせない重要な指標の1つであることは確かですが、それだけを指標とすべきではありません。DAUだけに注目し、懸念すべき他の兆候を無視すると、重要な傾向を見落とす可能性がかなり高まります。 

そのため、ユーザー獲得(UA)、アプリ内購入、レビュー、顧客フィードバックなどにも目を配り、ビジネスの健全性、あるいは問題の有無をより全体的に把握するようにしましょう。 

DAU/MAU比率

DAUとMAU(Monthly active users / 1か月あたりのアクティブユーザー数)を組み合わせたDAU/MAU比率では、アプリの1か月あたりのアクティブユーザー数に対する1日(24時間)あたりのアクティブユーザー数の比率を計測できます。 

DAU/MAU比率を用いることで、トラクション(顧客への訴求力)と潜在的な収益を長期にわたって予測できます。しかし、さらに重要なのは、この比率はアプリが繰り返し利用される頻度を計測することで、ユーザーにとっての製品の価値を測るのに役立つということです。 

DAU/MAU比率は以下の通り算出します。

DAU MAU比率

具体例を説明します。

たとえば、8月の1か月間でDAUが2,000人、MAUが8,000人だったとします。その月の定着度は25%になります。 

25%というのはかなり良い数値といえます。どの業界標準も、定着度が20%もあれば良好とされ、25%以上は異例の数値と見なされます。 

DAUを増やす方法

DAUを増やす方法

アプリエンゲージメント戦略を成功に導くには、メール、プッシュ通知、アプリ内通知、リエンゲージメントキャンペーンなど、複数のチャネルを活用する必要があります。 

DAU率を向上させるには、これらのチャネルをどう活用すればいいのでしょう。ここではそのヒントとアドバイスを紹介します。 

1. プッシュ通知

プッシュ通知は、アプリユーザーのエンゲージメントを向上させる最も効果的な方法の1つです。ただし、使い方を誤ると、たちまちアンインストールにつながります。 

では、どのくらいの頻度でユーザーにプッシュ通知を送るべきでしょうか。

ベストプラクティスやベンチマークをアドバイスするソースは多々ありますが、最も重要なのは、オーディエンスに本当の価値を提供できているかを自問することです。 

プッシュ通知で重要なのは頻度ではなく、パーソナライズされた適切なコミュニケーションを通してユーザー体験を向上させることです。 

プッシュ通知の統計に目を配りましょう。こうして、何が有効で、何が有効でないかを見極めることが、DAUの増加に役立ちます。

2. アプリ内メッセージ

アプリ体験がユーザーのニーズや好みに合っていればその分、アプリの継続率は高まる傾向にあります。 

実際、近年の調査によれば、パーソナライズされたアプリ内メッセージを利用しているブランドは、メッセージが受信されてから28日以内に61%から74%のリテンション率を獲得しています。一方、一般的なキャンペーンを行ったブランドの場合、28日以内のリテンション率は49%にとどまることがわかっています。 

通常、アプリ内メッセージはユーザーに直ちにアクションを促すためのものではありませんが、受信すべき重要な通知です。これにはアプリの不具合や決済の失敗、バージョンアップなどの警告を含むことがあるからです。 

ユーザーとの関連性を最大限に高めるには、地域、好み、利用状況、履歴をもとにオーディエンスをセグメント化し、リアルタイムでの更新やパーソナライズされたコンテンツへのリンクといったカスタマイズされたメッセージを送るようにします。 

3. メール/SMS

リテンションにつなげるには、ユーザーに充実したサービスを提供してアプリの存在感を増し、継続して利用してもらうことが大切です。 

ダウンロードが完了しても、ユーザーがアプリの魅力を十分に認識するには時間がかかるかもしれません。よって、オンボーディングは継続的なプロセスであることを覚えておきましょう。高いDAU率を維持するには、アプリを使い始めたばかりのユーザーに適度にメールを送ることが効果的です。 

また、再訪頻度の少ない以前のアクティブユーザーを対象としたメールを送るのもいいでしょう。「最近アプリを利用されていないお客様に、いくつか魅力的なアップデートをご紹介します」と極力さり気なくコンタクトできます。

コンテンツアプリの場合、7日間連続でアクティブだったユーザーが3日間アプリを開かなくなった場合、そのタイミングでアプリ内のトレンド記事へのリンクをメールすると、再びアクティブになるかもしれません。 

適切なオーディエンスセグメンテーションをすることで、エンゲージメントの高いユーザーとそうでないユーザーを区別できます。

4.ディープリンク

上記に沿って、特別クーポンという魅力的なオファーを含めた完璧なメールを作成しました。パーソナライズされ、コンテキストも加味された関連性の高いメールです。ここまではいいでしょう。しかし、ユーザーがリンクをクリックすると、アプリの一般的なホーム画面に遷移します。これは効果的とは言えません。

アトリビューションを活用したディープリンクは、本質的なクロスチャネル戦略の中心です。サイロ化したチャネルをリンクして1つのまとまったユーザー体験プラットフォームとすることで、スムーズで一貫性のあるユーザー体験を保証し、わかりやすいユーザージャーニーの道筋を提供できます。 

ディープリンクはユーザージャーニーにおける障害を最大限取り除くだけでなく、ユーザーと長期的な関係を築き、競争力を強化するのにも役立ちます。 

また、簡単に実行できる戦略であることは何度も実証されているため、導入の価値は十分にあると思われます。

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重要なポイント

  • アプリという文脈でのアクティブユーザーは、通常、アカウントにログインしているユーザーと見なされます。しかし、アクティブユーザーを定義するエンゲージメントの種類はさまざまで、業種や企業の目標によって異なる場合があります。
  • DAUの計算は簡単そうにも見えますが、定義したアクティビティによっては、より複雑になることもあります。DAUを長期的に把握することで、キャンペーンの効果やアプリが提供するカスタマー体験を評価するのに役立ちます。 
  • DAU率を向上させるには、アプリエンゲージメント戦略にクロスチャネルを取り入れる必要があります。重要なのは、メール、プッシュ通知、アプリ内通知、リエンゲージメントキャンペーンなどを活用し、ユーザーに具体的でパーソナライズされた価値を提供することです。そうすれば、エンゲージメントとリテンションはすぐに向上するでしょう。
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