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SKAdNetworkのコンバージョン値マッピングデータからわかるゲームアプリと非ゲームアプリの違い

執筆者 Shani Rosenfelder

AppleのiOS 14+が導入した対策が、ユーザーのプライバシーを保護するために重要であることは間違いありません。しかし、この導入はマーケターにとって、キャンペーンを計測する新たな方法に適応しなければならないという大きな課題を突きつけました。 

とりわけ複雑なのは、SKAdNetworkのコンバージョン値とタイマー延長のメカニズムです。フリーミアムモデルが重視されるアプリエコシステムではインストール後のデータがもっとも重要なため、これは悩ましい課題です。 

iOS 14リリースまで、マーケターはデータを細かく計測し、ユーザーやキャンペーン価値を判断していました。ところが、AppleのSKAdNetworkが登場してから、データを掘り下げることができなくなりました。インストール後のアクティビティをマッピングするには、6ビットに制限された64通りの値を組み合わせることになります。アクティビティのデータは数日分入手できればいい方です。要するにSKANでは、コンバージョン値は(限られた)LTV(顧客生涯価値)を計測するための代替手段ということです。

選択の幅が狭まると、広告主は手に入るもので最大限の効果を引き出すほかありません。誤解がないように言えば、やり方さえ間違えなければ、できることはたくさんあります。では、「間違えない」とはどういうことでしょうか。マーケターはコンバージョン値のスキームをどうマッピングすればいいのでしょうか?

当社ではこの疑問に答えようと、Conversion Studioで得たデータを検討し、900個以上のアプリの設定を分析しました。広告主の皆様のご参考になれば幸いです。  

データによると、コンバージョン値は扱いづらいと多くのマーケターが感じているようです。レモンを搾るようにデータを抽出できるようになったマーケターがいる一方(言うまでもなく、主にゲーム業界のマーケターです)、SKAdNetworkという新しいメカニズムの可能性を生かし切れずにいるマーケターもいます。  

そこで、この記事では、業種による下記の違いを解説します。 

  1. コンバージョン値スキーマのマッピング
  2. アクティビティ期間のタイマーの定義 
  3. 64通りの組み合わせ容量の利用状況 

SKANのインサイトについて詳しくは、SKANを知る:Apple社のSKAdNetworkより得たデータから見えてくるものをご覧ください。

コンバージョン値のマッピングの種類

データに入る前に、このチャートで紹介するさまざまなモデルの種類を簡単にご説明します(詳細についてはこちらをクリックしてください)。 

収益:1回限りのポストバックが送信される前のアクティビティ期間中に、ユーザーによって生み出された収益。単一イベントを使用して記録するか、または選択したアプリ内イベントを使用してストリームごとの収益(IAP、IAA、サブスクリプション収益)に関連付けることができます。 

アプリ内イベント:チュートリアルの完了、ログイン、購入、共有、レベルの達成など、インストール後のアプリ内行動。マーケターは、イベントを実行する個別のユーザー数と、イベントが実行された回数の両方を計測できます。

ファネル:ファネルの連続したイベントのリストにもとづいて、アプリ内イベントの発生を計測します。ファネルのいずれかのイベントを実行するユーザーは、そのイベント以前のすべてのイベントを実行したものと見なされます。これはシーケンシャルイベントを計測する最も効率的な方法で、同じ量のアプリ内イベントを計測するために、より少ない値を利用します。

もっとも多い設定は収益とアプリ内イベント

サブディビジョンについては下記のとおりです:

主な調査結果

1.他のアプリがイベントを計測するのに対し、ゲームアプリでは収益を計測

ゲームアプリの大半は収益によって運営されており、収益設定を活用しているゲームアプリは84%に上ります。対照的に、ゲーム以外のアプリでは85%がアプリ内イベントを計測しています。 

なぜでしょうか?ゲームアプリは非ゲームアプリに比べて、初回購入までの時間が短いためです。特に人気の高いカジュアルゲームでは、この傾向が顕著です。非ゲームアプリはアクティビティ期間外で購入が成立するため、アプリ内イベントを重要な指針として信頼しています。

2.ショッピングアプリのほぼ40%がアプリ内イベントと収益を併用

上述したように、ユーザー登録やメールでのサインアップといったアプリ内イベントはショッピングアプリでLTV(顧客生涯価値)の重要な指針として信頼できます。 

ショッピングアプリの77%以上がイベント数を計測する設定を採用する一方、39%がアプリ内イベントと収益の計測を併用しています。ショッピングアプリでは初回購入を可能な限り早く成立させ、その過程で発生する主要イベントの計測を初期段階の目標とします。

3. ヘルス&フィットネスアプリの92%がアプリ内イベントを計測

ヘルス&フィットネスアプリの大半はサブスクリプションモデルに依存しているため、アプリはロイヤリティの構築に注力し、一貫した価値をユーザーに提供する必要があります。 

ヘルス&フィットネスアプリでは無料トライアルも普及し、ユーザーは時間をかけて購入を決断するため、広告主は、ユーザー登録やワークアウトの完了、データの共有といったアプリ内イベントから、ユーザーが初期段階で示す購入シグナルの計測に注視することが求められます。

4. ソーシャルカジノゲームアプリの23%がイベントと収益のファネルを設定

ソーシャルカジノアプリは、高価値行動の兆候を示すパターンを早期に特定できる、もっとも売上の高いアプリカテゴリの1つであり、その5分の1以上でファネルイベントと収益の組み合わせが計測に使用されています。

5.ハードコアゲームは収益を集中的に採用

ハードコアゲームはアプリ内広告ではなくアプリ内購入のデータを高く信頼し、同カテゴリの93%が収益設定を活用しています。

アクティビティ期間はファネルの期間と相関する

主な調査結果

1.デフォルト設定では24時間のアクティビティ期間がもっとも一般的

業種を問わず大多数のアプリがアクティビティ期間をデフォルトの24時間にしてデータを収集していますが、SKAdNetworkの利用が軌道に乗れば、このデフォルト値が変わると予測します。 

デフォルトのアクティビティ期間は24時間ですが、データは一度しか収集できないため、意図的なトレードオフが行われることを覚えておく必要があります。 

アクティビティ期間が短いほど短時間でデータが収集できますが、手に入る情報量は限られます。逆に、期間を延長するとデータは豊富になりますが、アクセスできる時間が遅れます。

また、すべてのユーザーがタイマーを延長できるとは限らず、アクティビティ期間が延長されても一部のユーザーにしか適用されません。タイマーを延長するにはコンバージョン値を更新するしかありませんが、更新はアプリを開いた後でしかできません。

つまり、タイマーを72時間に設定しても、ユーザーが24時間アプリを開かなければ、コンバージョン値はロックされるということです。たとえば、ユーザーが0日目、1日目、3日目にアプリを開いた場合、3日目のアクティビティは記録されません。2日目はアプリが開かれていないためです。

最後に、主なアドネットワークの一部はまだ24時間を超える最適化をサポートしていないため、マーケターのタイマー決定に影響することに留意してください。

2.ゲーム以外の業種ではアクティビティ期間が72時間の長期購入ファネルを導入

特に金融アプリが40%が最長の72時間という期間を採用するのは、この業種では購入サイクルが長いという特性が影響しています。 

ほかの非ゲームカテゴリのアプリも同様に、購入ジャーニーがきわめて短いゲームアプリと比べて、はるかに長い購入サイクルを採用しています。

3. ソーシャルカジノの86%が24時間の期間を採用

ヘルス&フィットネスアプリと対照的なのが、ソーシャルカジノアプリです。このカテゴリはプレイヤーを引きつけて夢中にさせ、なるべく早く支出させることに注力しています。 

ガイド

SKANを知る:Apple社のSKAdNetworkより得たデータから見えてくるもの

詳しくはこちら

ゲームアプリではコンバージョン値の容量をより多く活用

主な調査結果

1.非ゲームアプリとは異なり、ゲームアプリの多くがコンバージョン値の容量を活用

ゲームアプリのマーケターはデータドリブンな知識の持ち主であり、変化があると即時に対応できます。 

事実上あらゆるオプションをすでに活用しているとの回答がゲームアプリでは63%だったのに対し、非ゲームアプリでは40%と、この業種の苛烈な競争ぶりがうかがえます(フード&ドリンクアプリは例外で、あらゆるオプションを活用済みとの回答が80%にも上っています)。

2.ハードコアゲームとミッドコアゲームでは、コンバージョン値の容量が非常に高い

複雑なファネルを採用するハードコアゲームでは74%、ミッドコアゲームでは76%が60~64のコンバージョン値を活用しています。 

マーケターははるかに多くのアクションやエクスペリエンスを自由に使いこなしています。彼らはアクティビティ期間を長めに設定し、時間をかけてイベントを記録しています。

コンバージョン値の価値を最大限に引き出すには 

業界のベストプラクティスから学ぶことも大切ですが、コンバージョン値で重要なのは、いかに自社のアプリに最適な戦略を策定できるかどうかです。 

ここでいくつかの戦略を紹介します。

64種類のオプションには制限要因があるものの、適切に割り当てて活用すれば多くの価値を生みます。範囲や組み合わせを思いつく限りうまく利用し、インストール後のアクションに目を向けることが肝要です。コンバージョンマッピングの設定を分割、交換、あるいは結合し、適切な組み合わせを探しましょう。 

業界のベストプラクティスを参考にして始めることもおすすめです。十分なデータが利用できない場合、まずは上記の統計を活用するのが有益です。

「唯一の正解」はありません。あるのは自社にとって「最適」な正解です。コンバージョン値をどのように実装、計測、最適化するかは、継続的なプロセスです。最適なマッピングが見つかるまで、テストを何度も繰り返しましょう(UIがあるともっと楽になります)。

ファネルを用いて賢く計測しましょう。私たちはまだSKAdNetworkを使い始めたばかりです。そのためか、ファネル設定を活用できればより効率的にビットを割り当てられるにもかかわらず、この方法を十分に活用している広告主は多くありません。 

ファネル設定では3つのイベントに計測ビットを1つずつ割り当てるのではなく、ビット1つで一連の行動が計測できます。

予測モデリングはもはや高級なオプションではなく、必須の手法となりました。ポストバックタイマーはユーザーのLTV(顧客生涯価値)予測で使用するデータ収集量を制限します。予測モデルを最大限に活用して効果の高い計測基準や行動様式を明らかにし、高収益のユーザー層を特定しましょう。 

6つのビットをすべて使い、あらゆるスコアのデータにアクセスする予測収益スコアを採用できますし、個別の組み合わせ(広告主ごとに異なると思われます)でも、価値を創出するユーザークラスターを特定できます。 

収益スコアは特定のユーザーと関連づけられているものの、SKANから情報が戻ってきた際はユーザークラスターの集計方法で表示されることにご注意ください。

重要なポイント

  • コンバージョン値のマッピングは、iOS 14.5以降にアプリマーケターが直面しているきわめて大きな課題です。しかし、適切なスキーマを設定できれば、大きな競争優位性を生み出せます。 
  • オプションには制限があるものの、コンバージョン値を適切に活用できれば、計測から十分なインサイトを引き出せます。
  • ゲームアプリと非ゲームアプリには大きな違いがあり、この違いはマーケターの専門知識やファネルの複雑さ、長さに起因します。 
  • SKAdNetworkの採用はまだ初期段階のため、どの業種のアプリもファネルを十分に活用できていない状況です。マーケターがより多くのデータにアクセスし、採用が成熟するにつれ、この状況は変わっていくと予想されます。
  • 最高のコンバージョンモデルに「唯一の正解」はありません。あるのは自社にとって「最適」な正解です。ただし、業界のベストプラクティスを参考にしながらコンバージョンマッピングをモデリングするのは、賢明な出発点と言えます。

SKANのインサイトについて詳しくは、SKANを知る:Apple社のSKAdNetworkより得たデータから見えてくるものをご覧ください。

Shani Rosenfelder

Shaniは、AppsFlyerのコンテンツ&モバイルインサイトの責任者。10年以上にわたり、さまざまな大手オンライン企業や新興企業で、コンテンツやマーケティングの重要な役割を担ってきた経験を持つ。創造性、分析力、戦略的思考を兼ね備え、革新的なコンテンツ主導型プロジェクトを通じてブランドの評判と知名度を高めることに情熱を注いでいる。
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