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【まとめ】WWDC 2023を振り返って:知っておきたいこと

執筆者 Roy Yanai
WWDC 2023 - featured

WWDC 2023の最新情報をチェックしていた方ならご存じだと思いますが、今回も押さえておくべきニュースがたくさんありました。4日間にわたるインサイトに満ちたセッションと製品発表を終えたAppleは、私たちにまさに多くのことを残してくれました。本稿では、新型ヘッドセットVision Proから「プライバシーマニフェスト」と呼ばれる興味深い新機能まで、発表内容をまとめて紹介します。

では、さっそく見ていきましょう。

SKAN 5.0対応に向けた検討を始めるべきか

答えは「ノー」です。業界がSKAN 4.0の導入という課題にまだ試行錯誤している段階で、AppleがSKAN 5.0に言及したのは驚きでした。しかし、心配する必要はありません。発表があったからといって、SKAN 5.0がすぐにリリースされるわけではありません。SKAdNetworkをさらに充実させるために、より重要な機能を組み込んでいくという意志表明のようなものでしょう。

SKAN 5.0の内容はあまり明らかにされていませんが、SKAN4.0と比較してそれほど大きな変化はないとみていいでしょう。Appleの発表では、SKAN 5.0にリエンゲージメントをサポートする機能が組み込まれるとのこと。これは、Appleが市場の声に耳を傾けたことを示しています。SKAN 2.0の登場以降、業界では、SKANでリエンゲージメントを計測できるようにしてほしいという要望が強くなっていたからです。 

Appleがリマーケティング計測を公式にサポートするということは、Googleのプライバシーサンドボックスと同様に、プライバシーを重視しつつターゲティングやリマーケティングの機能も充実させていく方向にシフトしようとしているとみてよいのでしょうか。そう願うばかりです。

プライバシーに関する最新情報

2024年春から、App StoreのApp Reviewの一環として、新しいプライバシー要件がいくつか追加されることになります。

1.プライバシーマニフェスト

AppleはWWDC 2022で、Privacy Nutrition Labelsの導入を発表しました。このラベルを見ることで、ユーザーはアプリが自分のデータをどう扱うのかおおよそわかります。このラベルは、ユーザーがエンゲージするアプリのプライバシー慣行について貴重なインサイトを提供します。

ラベルの作成プロセスを簡素化するため、Appleは新たなアプローチを導入。デベロッパーにとって、アプリのデータがすべてのサードパーティ製SDKでどのように取り扱われるのかについて情報を統合し、透明性を確保しやすくなります。これを可能にするのがプライバシーマニフェストと呼ばれるファイルであり、アプリとSDKのデベロッパーが共同で作成します。

どのような仕組みになっているのでしょうか。アプリのデベロッパーと彼らが使用するサードパーティ製SDKは、収集するデータの種類をリストにして開示し、自身のプライバシー慣行について説明する必要があります。デベロッパーにアプリを配信する準備ができたら、Xcodeにより、使用するすべてのサードパーティ製SDKのプライバシーマニフェストが使いやすい1つのレポートに集約されるため、プロセスを簡略化できます。アプリ内にあるSDKをすべてまとめたこの包括的なレポートを使用して、デベロッパーはより正確なPrivacy Nutrition Labelsをより簡単に生成できます。

プライバシーマニフェストについてさらに詳しくは、以下のリソースを参照してください。

プライバシーマニフェストの導入について – WWDC 2023の映像

プライバシーマニフェストに関するAppleの発表

実装に関するドキュメント

2.理由が求められるAPI

APIの中には、ユーザーのプライバシーに特に大きな影響を与えるものがあります。しかし、これらのAPIを適切に使用すれば、優れたユーザー体験を提供できるかもしれません。Appleはこうしたバランスを取るために、「理由が求められるAPI」という新しいタイプのAPIを導入しました。これらのAPIは、提供する機能や情報によって分類されます。各カテゴリには、APIへのアクセスが認められる理由があります(ファイルを保存する前にディスクの空き容量を確認する必要がある、ビデオ会議でカメラを使用する必要があるなど)。悪用を防ぐため、アプリやSDKは認められる理由でのみこれらのAPIにアクセスでき、取得したデータを他の目的で使用することはできません。 

理由が求められるAPIの使用方法を明確にするため、アプリのデベロッパーは、プライバシーマニフェストでAPIのカテゴリを宣言し、承認リストの中からAPIを使用する理由を指定する必要があります。

3.SDKの署名

Appleはプライバシーに影響を与えるSDKのリストを公開する予定です。アプリにこれらのSDKを組み込む場合、SDKに署名してもらい、プライバシーマニフェストを公開する必要があります。署名はプライバシーに影響を与えるSDKとしてリストアップされたSDKにのみ必要ですが、ほとんどのSDKのデベロッパーがベストプラクティスとして採用することが予想されます。 

AppsFlyerの視点

AppsFlyerでは、これらのアップデートを歓迎すべきこととして捉えています。Appleがプライバシーに対する姿勢を明確にし、アプリ開発を制御してアプリのトラッキングの透明性(ATT)への準拠を求めていることは、間違いなく正しい方向への一歩といえるでしょう。透明性を高め、アプリのデベロッパーが収集可能なデータとその理由についてよりよく理解できるようにすることが、いわばユーザー体験の向上につながります。 
Appleは、マニフェストで2つの重要なカテゴリを示しています。

  1. データ収集:収集される可能性のあるデータを明記しています。
  2. 理由:そのデータを収集する理由を説明しています。

これらのリソースは、透明性を保ち、デベロッパーとエンドユーザーがアプリのエコシステムにおけるデータ収集についてより賢い選択をする助けとなるでしょう。 

真相はいかに:複数のアプリストア

iOS 17には、エキサイティングな機能が多数搭載されるようです。特にヨーロッパでは、新しいアプリストアが追加されるのではないかと噂され、期待を呼んでいます。ただし、現時点で公式な発表はありません。

Vision Pro:ブランドにとって何がチャンスか

WWDC 2023のハイライトともいえるのが、Vision Proの発表です。拡張現実と仮想現実を融合させたヘッドセットで、visionOSを搭載しています。Appleがこれまで発表してきたデバイスやOSと同じように、visionOSもデベロッパーにアプリの開発、公開、マネタイズの機会を提供してくれるでしょう。

Vision Proが一般向けに販売開始されるのは2024年ということですが、Appleはすでに、リリース前にvisionOSへの対応を進めてほしいとブランドに呼びかけています。ChatGPTは、プラグインを通じてブランドとユーザーが交わる新たな可能性を開きました。Vision Proはそれを次のレベルに引き上げ、デベロッパーに新たな領域を解き放とうとしています。

AppsFlyerは、当社の既存のクロスプラットフォーム計測機能にVision Proを統合することで、大きな可能性を引き出せると期待しています。モバイル、ウェブ、CTV、PC、コンソールChatGPT、Vision Proなど、さまざまなプラットフォームでパフォーマンスを計測できれば、ブランドはオーディエンスへの理解を深め、多様なチャネルで広告戦略を最適化できます。最終的にブランドのインパクトを最大限に高め、顧客生涯価値(LTV)の向上につなげることができます。

最新情報に期待

WWDC 2023ではいくつもの大きな発表があり、世間の注目を集めました。ただ、今回のイベントでAppleが発表した内容は、いわば部分的に説明を添えた予告編であることを忘れてはなりません。言及があった機能や関連事項などについて、いずれAppleからあらためて詳細の発表があるはずです。全貌が明らかになる日を楽しみに待つとしましょう。

Roy Yanai

Roy Yanaiは、AppsFlyerの製品責任者です。過去4年間、データエクスチェンジやアナリティクスなど、AppsFlyerの様々な製品分野をリードしてきました。現在は、AppsFlyerのSKAdNetworkタスクフォースのプロダクトをリードしています。AppsFlyer以前は、Megoというeコマースの配送の痛みを解決するためのスタートアップでCEO兼製品責任者を務め、イスラエル最大のハッカソンであるHackIDCを設立しました。
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