ゲーム業界で一歩先を進み続けるには:モバイルゲーム界が2022年に直面する課題、トレンド、ビジネスチャンスを探る

執筆者 Adam Smart
モバイルゲームのトレンドとビジネスチャンス 2022年版

NFT、 ブロックチェーンゲーム。メタバース。 モバイルゲーム界では挑戦的な新勢力が次々と登場しています。これは一時的な流行で終わるのでしょうか、それともモバイルゲーム界の未来を担う存在となり得るのでしょうか?

先日、Savage Game StudiosのCEO、Michail Katkoff氏と話したとき、ゲーム界で一歩先を歩み続けるにはという、まさにこのトピックが話題に上りました。

モバイルゲーム界では知らない人がいないほどの人気ブログとポッドキャスト“Deconstructor of Fun”の作者であるMichailは、モバイルゲーム界でのビジネスの現状と未来像について、彼独自のインサイトを話してくれました。

私たちの会話はこちらのビデオ(英語版)でご覧いただけます。また、内容を以下にまとめましたので併せてお読みください。

2022年、モバイルゲーム界最大の試練とは

パンデミックは収束せず、Appleによる急進的なプライバシー方針の変更といった試練が降りかかり、2021年はモバイルゲーム界のデベロッパー、パブリッシャー、マーケターにとって決して穏やかな1年ではありませんでした。

さて2022年下半期、どのような試練がモバイルゲーム界を待ち受けているのでしょうか。

  • Androidのプライバシー方針変更:iOS 14のリリース以降、モバイルゲーム界の市場拡大は間違いなく困難に直面しています。GoogleがAppleに追随する(英語記事)との報道もあり、あと数年は現状が維持される見込みとはいえ、楽観視はできない状況にあります。
  • 中国アプリ市場の変化:中国は新規モバイルゲーム45本のライセンスを4月に認可し、世界最大のモバイルゲーム市場でほぼ10か月にわたって続いた停滞は解消されました。 中国当局はここ18か月で、未成年のゲームプレイ時間の制限、モバイルアプリにおけるプライバシー保護強化策の実施、ゲーム依存症の上昇に歯止めをかける新たな要件の実施など、一連の強化策も導入しており、こうした措置が内外の広告主に影響をおよぼしています。 この影響は長期化し、他の市場の競争激化を招くだけだとの見解が出ています。中国のデベロッパーが文化的価値の認められる高品質のゲーム開発に舵を切り、成長拡大のため西側市場で時間と労力をつぎ込むことから、やはりアプリとマーケターの両面で競争の激化が予想されます。
  • M&Aブーム: Appleのプライバシー強化を伴う仕様変更により、ファーストパーティデータをめぐる競争に拍車がかかり、モバイル業界は昨年、M&Aブームに沸きました。ブロックチェーンゲームがベンチャーキャピタリストに訴求したこと(英語記事)から、このブームは容易に沈静化するものではなさそうです。

ブロックチェーンゲームというキーワードが出たところで、私たちは続いて、特にデベロッパーが「無料で遊ぶ」から「遊んで稼ぐ」というビジネスモデルへの転換を模索する中、モバイルゲームにどのような影響が及ぶかについて話し合いました。

ブロックチェーンゲームの登場により、F2P(無料で遊ぶ)からP2E(遊んで稼ぐ)ゲームの時代へ

Moving on from F2P to P2E via Blockchain gaming

非代替性トークン(NFT)、暗号通貨、ブロックチェーン――過去にはなかった概念が社会で認識されるようになりました。 大勢の有名人が人気NFTの波に乗り、UbisoftからEAにいたる誰もが、「遊んで稼ぐ(P2E)のがゲーム界の未来」と宣言しています。

さて、モバイルゲーム界でNFTやブロックチェーンはどのようなビジネスを創出するのでしょうか。何より重要なのは、このバブルはいつ崩壊してもおかしくないのか、ということです。

遊んで稼ぐ(P2E)市場の躍進に着目し、無料で遊ぶ(F2P)ゲームデベロッパーの多くが、この分野への進出を検討しています。興味深いケーススタディとして、先日、ブロックチェーンベースのP2Eシステムにリニューアルした、マルチプレイヤーオンラインバトルアリーナ(MOBA)ゲームのThetan Arenaがあります。(関連英語記事)

その一方で、ブロックチェーンの可能性に魅了されたデベロッパーがP2Eへの進出を考えることに、警鐘を鳴らす意見も少なくありません。P2Eのコンセプトはたしかに魅力的であり、一部のデベロッパーが成功した実績もありますが、P2Eゲームがプレイヤーの間で大人気を博しているのは、必ずしもそのシステムに理由があるわけではないことも覚えておくべきでしょう。

たとえばThetan Arenaは、ゲームとして完成された既存のタイトルをP2E化したもので、ゼロから作り上げたタイトルとは違います。だからP2Eの枠を越え、プレイヤーからの支持を獲得したわけです。「P2Eを作ればプレイヤーはおのずとついてくる」のではなく、むしろ「ゲームが楽しいからブロックチェーン界にとどまる」のです。

独自の仮想通貨アイテムをシリーズの新しいゲームで使えるユニークな兵器として導入したCall of Dutyフランチャイズは、たしかに強い訴求力があります。 その一方で、デベロッパー側にはさらなる予算と労力が必要になるほか、各国がエネルギー危機にある中、世界的なエネルギー消費に対する懸念も高まっています。

ブロックチェーンゲームの人気には持続性がない、すなわちバブルなのか。この問いに答えるには、ある程度の進展を待つ必要があります。少なくとも現時点では、モバイルゲームとして普及したとの手ごたえは感じられません。

業界としてその域には達していません。ブロックチェーンゲームはまだ早期採用の段階にあり、コストや持続可能性のほか、ゲーム用NFTの市場流通の仕組み作りといった課題を解決する必要があります。ブロックチェーンゲームはプレイヤーから大きな反発があり、この分野の価値と魅力をゲームプレイヤーに理解してもらう必要がある(英語記事)と、ゲームソフト大手、Ubisoftの経営陣が認めるにいたった事例もありました。とはいえ、ブロックチェーン関連技術のユースケースが年内に多数紹介されることになるでしょう。モバイルゲーム界を次なるステップに進め、存続、持続可能な望ましいものにしていくリーダーの登場が楽しみでなりません。

モバイルゲーム界の今後

今回のトークでMichail氏と業界を俯瞰するうち、頭に浮かんだ新たな戦略やアプローチをまとめてみました。

  • 現在ゲームをプレイしていない層に訴求する新ジャンルを作る:このアプローチにぴったりなのがSupercellの事例です。彼らはニッチ市場に目を向け、従来型のモバイルゲーマーとは違う層に訴求するゲームの設計(とマーケティング)を行うエキスパートになっています。

課題もありますが、このアプローチは大幅な成長が確実に見込める分野でもあります。過去12か月のインストール数で、トリビアアプリ(前年比79%増)、パズルアプリ(前年比41%増)、レーシングアプリ(前年比39%増)で大幅な伸びを示しています。これは、デベロッパー各社がこれまで未開拓だったオーディエンスに訴求する要素を見つけようと努力した結果でしょう。

YoY change in game category
  • Discordなど、これまで成長を牽引してきたコミュニティプラットフォーム:コミュニティはライブサービスゲームで常に重要な役割を担い、Discordに代表されるプラットフォームは、タイトル関係者が長期にわたって集う、活発なコミュニティとして、MMORPGジャンルのゲームの支持を得てきました。最近ではParadyme Gamesのシミュレーションゲームやサンドボックスゲーム(英語)など、他ジャンルのゲームがプレイヤーの長期にわたるロイヤルティを構築する手段としてプラットフォームをうまく利用し、コミュニティの拡大を試みるようになりました。
  • PCやコンソール、さらにはVRなど、他のエコシステムに進出:GameloftやPlariumなど多くのゲームメーカーがマルチプラットフォームに移行している中、FortniteやGenshin Impactが達成した「どのデバイスでも同じゲームをプレイする」モデルは大規模なインフラと先行投資が求められます。ただ、達成すれば大幅な利益が手に入るのは言うまでもありません。

最後に、このチャットに招待してくださったMichail氏と、ご参加いただいた皆さん全員に心からお礼を申し上げます。AppsFlyerが配信するチャットにこれからもご期待ください。当社のモバイルゲームコンテンツでは、ゲーミングハブトレンドに関するレポートを公開していますのでお見逃しなく。ポッドキャスト In The Sandbox Withでは、モバイルゲーム界のエキスパートをゲストにお呼びし、変化の著しい業界の様相についてお話しします。ぜひ購読してください。

わくわくするような未来がすぐそこまで来ています!

Adam Smart

AdamはAppsFlyerのDirector of Product - Gamingを務める。ゲーム業界で10年以上、技術、製品、成長の役割を担い、ユーザーの獲得、維持、収益化において豊富な経験を持つ。

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