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PCおよびコンソールプラットフォームでゲームデベロッパーが新たな収益源を確立する方法

PC & console guide - featured
はじめに

ゲームの世界は日々変化し続けていますが、変わらないこともあります。それは、変化を促しているのは、常に収益とオーディエンスの増加という主な目的であるということです。そして、まさに収益とオーディエンスの増加こそ、多数のモバイルゲーム制作会社がPCやコンソールプラットフォームでゲームを提供し始めている理由です。 

では、なぜPCやコンソールでのゲームが増加しているのでしょうか。それには他の多くの分野と同様、パンデミックが大きく影響しました。  コロナ禍でゲームが好調だったというのは誰もが知るところです。Newzooによれば、ゲームのプレイヤー数は2020年から2022年にかけて12%増加しました。同時期、PCとコンソールのそれぞれではプレイヤー数が15%増加しています。

またプライバシーに関する規制やモバイルユーザーが飽和状態であるという背景も、モバイルゲームデベロッパーがオーディエンスと収益源の新規開拓を進める理由です。デベロッパーはPCやコンソールゲームのプレイヤーの増加に対応するため、それぞれ異なるステージでゲームを開発しています。さらに、パンデミック以前とは異なり、現在のゲームでは異なるプラットフォーム間でプレイできることが重視され、そのための変化が顕著に見られます。 

この変化に関心のあるお客様のため、このガイドでは、モバイルゲームのパブリッシャーがPCやコンソールの機会をどのように活用しているかについて紹介しています。またクロスプラットフォームのフローを計測することで、PCとコンソールをパフォーマンスマーケティングチャネルとして活用する方法についてご説明し、最後にこれらのフローに注目した活用事例を紹介します。 

PCおよびコンソール計測ガイド - 第1章1:<b>[H2] 2023年は</b>
第1章

2023年はマルチプラットフォームゲームが拡大?

2020年初頭にパンデミックが発生して以来、ゲーム業界では変動が続いています。人々の生活は新型コロナウイルス感染症によって困難になったにもかかわらず(あるいは困難になったからこそ)、世界の大半が「外界」から遮断されてロックダウンが続く中でのゲーム利用が急増しました。 

しかし、その後はプレイヤーを含む人々が再び外出するようになり、これまでゲームに費やしていた時間を仕事や学校、実店舗でのショッピング、ライブエンターテインメントなどに費やすようになることで、ゲームの利用はゆるやかに減少していきました。

しかし、ポストパンデミックに突入したこの時代、ゲームに明るい兆しが見えています。それは、現在のプレイヤー数はすべてのプラットフォームで2020年より大幅に増加しているということです(表1参照)。PCでは16%、コンソールは17%増加し、さらにエンゲージメントも向上しました。 

プラットフォーム202047%2022
PC20億7,000万人22億3,000万人24億人
モバイル26億8,000万人29億1,000万人31億5,000万人
コンソール13億3,000万人14億4,000万人15億6,000万人
出典:『グローバルゲームマーケットレポート2023』、Newzoo
第2章

変化が「今」起きている理由

プレイヤーの増加と多様化が進むことで、モバイルゲームのパブリッシャーにとっては、PCやコンソール用のゲームタイトルから収益を得る機会が広がります。それ以外にも、パブリッシャーは以下の理由から、モバイルという安定した環境を超えてPCとコンソールに注目しています。 

  • コンソールの魅力的なARPU:コンソールのARPU(ユーザーあたりの平均収益)はモバイルよりも67%高くなっています。ここから、モバイルゲーム制作会社がコンソールゲームの開発に意欲を示す理由がわかります。 
  • 技術の進歩:技術の進歩により、モバイルゲーム制作会社が他のプラットフォーム向けのゲームをより簡単かつコスト効率良く開発することが可能になりました。
  • プライバシーに関する課題:Appleによるプライバシー規制は、ユーザーにとっては有益かもしれません。その一方で、デベロッパーにとってはパーソナライズされた魅力的なゲーム体験を提供する上での課題となります。 
  • 市場の飽和:モバイルゲーム市場はますます飽和状態となりつつあり、多くの新規参入企業や既存企業が限られたユーザーベースと収益源をめぐって競合しています。
  • インフルエンサーによるストリーミング配信:デベロッパーは、インフルエンサーによるゲームストリーミングの影響力を理解しています。PCゲームのストリーミングはモバイルゲームより質が高いことで知られており、配信者が質の高いゲーム動画を簡単に作れるようなゲームを販売することで、ストリーミングはさらに増加すると思われます。
  • ゲームの没入感:プレイヤーの観点からは、より没入感のある魅力的なゲームへの需要が増加しています。 
PCおよびコンソール計測ガイド - chapter 3:<b><H2>具体的な変化の内容</b>
第3章

具体的な変化の内容

ゲーム制作会社がプラットフォームを拡大する理由をご理解いただけたところで、本章ではモバイルゲームをPCやコンソールゲームに拡大する2つの主な方法を説明します。

  1. プラットフォーム単独:あるゲームを特定のプラットフォーム「単独」で動作するように開発された新バージョン(スタンドアローン版)。たとえば、モバイルゲームをSteamに移植した際、Steamでのみ利用可能なマルチプレイ要素が追加されたものなどです。 
  2. クロスプラットフォーム:同一セッションやアカウントで、どのデバイスからもプレイできるゲーム。たとえば、「フォートナイト」「原神」「サマナーズウォー:クロニクル」などがこれにあたります。

「サマナーズウォー:クロニクル」「原神」「フォートナイト」「マインクラフト」などは元々モバイルでのプレイに限られていましたが、先を見据えたデベロッパーが、コンソールやPC版を開発。こうしたタイトルが成功を収めたことで、他のモバイルゲームもPCやコンソール版を発売することへの関心が高まりました。

PCやコンソールのビジネスモデルとして、企業は現時点ではモバイルの収益化モデルの採用を検討しているようです。つまり、無料でプレイできるゲームを提供し、アプリ内課金(IAP)で収益を上げるモデルです。

まとめると、モバイルゲーム会社が自社IP(知的財産)であるゲームタイトルを、PCやコンソールで収益化しようとする動きが活発になっているということです。

PCおよびコンソール計測ガイド -第4章:実現可能性と課題
第4章

PCおよびコンソールの計測:実現可能性と課題

ますます多くのモバイルゲーム制作会社がPCやコンソール向けのゲームを開発するようになっていますが、マーケティングで実現したいことは何でしょう。 

普段からMMP(モバイル計測パートナー)が提供する計測、アトリビューション、分析を使用しているマーケターなら、世界中で配信されているPC、コンソールゲーム広告の影響を計測したいと考えるのが自然です。 

つまり、以下のような複雑なフローを把握したいということです。

  1. ユーザーがソーシャルメディア広告からパブリッシャーのウェブストアに移動し、プラットフォーム(XboxやPlayStationなど)のストアに、そして最終的にコンソールにゲームをダウンロードするまでのフロー。
  2. コネクテッドテレビ(CTV)広告でユーザーをSteamに誘導し、ゲームの購入、ダウンロード、プレイしてもらうまでのフロー。 

フローの「出発点」は、モバイルアプリ、CTV、ウェブ、さらには屋外広告など多岐にわたるため、「最終点」であるゲームの購入、プレイ、課金に至るまでの経路も複数存在します。 

ここで明らかに重要なのは、PCとコンソールの機会を活用するには、これらのプラットフォームのキャンペーンを計測する方法が必要ということです。特に、無料プレイモデルではゲームの成否がパフォーマンスマーケティングとROAS(広告費回収率)の計測によって決まるため、計測は重要です。

しかし、残念ながらそう簡単にはいきません。計測は、適切なインフラがなければ極めて困難だからです。こうしたさまざまな経路を計測できるアトリビューションソリューションを構築するのは容易ではありませんし、AppleとGoogleが一意の識別子の取得を制限していることで、課題はより困難となっています。さらにはレポートと分析データのサイロ化という従来の問題も残っています。 

つまり、PCやコンソールのキャンペーンをリアルタイムでマーケティングできる手段がなかったため、モバイルゲーム制作会社はこの機会を十分活用できていなかったというわけです。 

PCおよびコンソール計測ガイド - 第5章:<b>[H2]  PCとコンソールのキャンペーン計測</b>
第5章

PCとコンソールのキャンペーン計測

ここで質問です。PCやコンソール向けのゲームを制作しているモバイルブランドは、キャンペーンを計測するため何を必要としているでしょう。 

回答です。それは、以下の機能を提供することで、PCやコンソールをパフォーマンスチャネルとして活用させられる計測パートナーです。

  1. ゲームのダウンロードやゲーム内のコンバージョンに至るまで、さまざまなユーザーフローの点と点を結びつけて線にできる。
  2. キャンペーンのパフォーマンスをリアルタイムに表示できる。
  3. ほぼすべての場所に広告を配信してユーザーを適切なプラットフォームに誘導し、コンバージョンを適切なソースに紐づけられる。 
  4. モバイルアトリビューションと同じように、PCやコンソールでもすべてのキャンペーン指標を一元的に把握できる。
  5. プレイヤーにより長時間プレイしてもらうため、プラットフォームに依存することなく、プラットフォーム間をシームレスに移動できるゲームを開発できる。
PC & console multi-platform engagement

この5つの特性を備えたソリューションを導入することで、PCとコンソールの収益機会をより有効に活用できます。また、PCやコンソールにパフォーマンスマーケティングを採用できるため、最適なマーケティングチャネルに広告費を割り当てられます。

AppsFlyerは、コンバージョン前後のアクティビティやイベントをあらゆるプラットフォームで計測できるようにすることを目標としています。これを実現するソリューションを通じて、ゲームブランドが新たな収益源を確立できるようにサポートします。 

このソリューションは以下の3つの補完的なレイヤーをベースに構築されています。

  1. クロスプラットフォームでのコンバージョン計測:あるプラットフォームで発生したコンバージョンやインストールを、別のプラットフォームで発生したクリックやインプレッションと紐づけられます。 
  2. コンバージョン後の計測:コンバージョン後のイベント(ゲーム内課金など)を計測することで、キャンペーンの成功に関するインサイトを取得し、広告費を最適化できます。
  3. すべての指標を一元的に把握:複数のプラットフォーム、デバイス、チャネルにわたる広告メディアの予算配分とパフォーマンスの全体像を把握できます。

結論:モバイルゲームのマーケターは、PCやコンソールプラットフォーム向けのゲームを制作し、適切なパートナーの計測技術を活用することで、新たな収益源を確保できるようになりました。

PCおよびコンソール計測ガイド - 第6章:使用例
第6章

使用例

この章ではクロスプラットフォームでのユーザーフローの一部を紹介し、PCやコンソールの機会を活用するための第一歩について説明します。覚えておいてほしいのは、以下のユースケースは数ある可能性のうちほんの一部に過ぎないということ、またフローの最後にあるPCやコンソールは置き換え可能ということです。つまり、PCで終わるフローはコンソールで終わることもあり、その逆も可能だということです。

Web-to-desktop(ウェブからデスクトップ)

おすすめは、モバイルマーケターにとって身近な存在であるウェブ広告から始めることです。モバイルマーケターはウェブ広告の設定、展開、計測、最適化に精通しているだけでなく、ユーザーが検索広告やウェブ広告をクリックする際の高い興味や関心をマーケティングにどう活用すべきかも熟知しているからです。 

上の例は、プレイヤーがウェブ広告をクリックし、ランディングページに移動するフローです。プレイヤーはこのページから、関連するPCのストアへのリンクをクリックし、ゲームをダウンロードして開始します。

マーケターはランディングページで取得されたインプレッションとUTMから、プレイヤーのフローを把握できます。さまざまなフローを計測し、どのキャンペーンがもっとも効果的かを理解することで、それに応じた予算配分が可能になります。

CTV-to-console(CTVからコンソール)

近年、CTVの機会は飛躍的に増大しています。視聴者の多くがリニアテレビではなく、インターネットでコンテンツをストリーミングするようになっているからです。CTVの広告費は米国だけでも、今後2年間で250億ドルから330億ドルまで成長すると予想されています。CTVは実用的なパフォーマンスチャネルとしての地位を確立しつつあるため、Kabam、Playtika、MistplayなどのゲームブランドがCTVでの広告を積極的に展開しているのも驚くことではありません。

下の図は、ある視聴者がコンソールゲームのCTV広告を見たときのフローです。視聴者はコンソールのストアにアクセスし、ゲームをダウンロードして起動します。 

取得された広告インプレッションがコンソールでのダウンロードとマッチングし、以降発生し得るゲーム内課金はすべて、CTV広告に紐づけられます。 

Mobile-to-desktop(モバイルからデスクトップ)

ウェブ広告と同様、モバイル広告もPCやコンソールの機会をすばやく活用できる優れた方法です。この方法もモバイルマーケターに適しています。

下の図は、プレイヤーがお気に入りのソーシャルメディアアプリでゲームの広告を見た場合のフローです。プレイヤーはPCのストアにアクセスし、ゲームをダウンロードしてプレイを開始します。 

計測ソリューションは、この広告インプレッションとダウンロードをマッチングさせることで、視聴者が見た広告とダウンロードを紐づけることが可能です。  

Out-of-home-to-desktop(屋外からデスクトップ) 

屋外(OOH)広告を利用することで、バス停や駅のホームでバスや電車を待っているオーディエンスをゲームの顧客に変えることができます。QRコードが再び広く利用されるようになったことで、世界中のマーケターがこの技術に注目。通勤やランニング、実店舗での買い物などでもごく当然のように使われるようになりました。

上記の活用事例は、プレイヤーがバス停でQRコードを取得し、モバイルランディングページに誘導されるフローです。プレイヤーは目的のプラットフォームをクリックし、そのストアのモバイルウェブサイトにアクセスしてアプリを購入します。その後、PCからゲームをダウンロードし、起動します。計測プラットフォームはQRコードの読み取りを記録し、ストアでの購入やPCでの起動とマッチングさせます。

PCおよびコンソール計測ガイド:重要なポイント
重要なポイント
  • 多数のモバイルゲームブランドがPCやコンソール向けにサービスを拡大し、既存のゲームを発展させたり、異なるプラットフォーム間でプレイできる新しいゲームを販売するようになりました。 
  • この変化は、新たなオーディエンスと収益源の確立という主な目的によって促進されています。
  • これに加えて、プライバシーに関する規制、モバイルゲーム市場の飽和、コンソールのARPU(ユーザーあたりの平均収益)の高さなども促進要因に挙げられます。
  • PCやコンソールのプレイヤー獲得に至るまでには何十ものフローが存在します。こうしたフローの計測は簡単ではありませんが、適切なパートナーを選択すれば実現できます。このフローには、ウェブページやCTVの画面、モバイルアプリ、屋外広告などからユーザーを誘導し、選択したデバイスでゲームをダウンロード、プレイしてもらうなどのステップが含まれます。
  • PCやコンソールをパフォーマンスマーケティングチャネルとして活用するには、これらのプラットフォームでキャンペーンを計測できることが鍵となります。
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