Meta(Facebook)アプリキャンペーンの計測:知っておきたい2022年の変更点

執筆者 Alex Roucourt
Measuring app campaigns on Meta (Facebook) in 2022 - square

どのくらいの数のアプリがMetaでのアプリキャンペーンに予算を投入しているかご存知ですか?正解は、多くのアプリがMetaに予算を投下しています。その理由は様々です。

AppleによるApp Tracking Transparency(ATT)フレームワーク(英語)は、Facebook PixelやSDKといったツールが発するコンバージョンイベントをソーシャルネットワークが受信、処理するプロセスを一変させました。アプリマーケティング界で支配的立場にあるMetaは、ATTの大きな影響を受けてきたことを踏まえておくべきでしょう。 

App Tracking Transparecy, 略称 ‘ATT’ は、Appleのオプトイン式プライバシーフレームワークであり、iOS版アプリがユーザーの個人データを取得する際に、事前に本人から許可を得ることを義務づけるものです。ポップアップが表示され、ユーザーはトラッキングの許可または拒否のいずれかを選ぶことができます。

Metaによると、Apple iOSのプライバシーに関する仕様変更の結果、2021年単独で100億ドルの収益減となったようです。当社が実施した2021年下半期以降の最新のパフォーマンスインデックスによると、Metaはこうした仕様変更でビジネスへの明らかな打撃を被りながらも、現在SKANインデックスのリーダーであり、プライバシーに配慮したAppleのSKAdNetwork(英語)に対応するメディアソースの中でもトップのパフォーマンスを誇っています。 

この分野では後発だったMetaですが、SKAN向けのモデリングを大幅に進歩させたのは間違いありません。計測の視点から見ると、プライバシーに配慮した仕様変更により、対処すべき大きな変化が生じました。

今回の記事では、こうした変化が特にMetaの広告プラットフォームに与える潜在的な影響についてまとめ、2022年にMetaでのアプリキャンペーンで計測効率を高める方法について解説します。

Metaでの計測オプション

Metaでの計測オプション

プライバシーの影響を語る前に、Metaで広告キャンペーンを計測する2つの方法について確認しましょう。

  1. Metaの公式モバイル計測パートナー(MMP)のSDKを1つ追加し、ユーザージャーニー全体を計測します。MMP(英語)は広告主のROIを正確に計測し、広告に対して的確で情報力のある決断が下せるよう支援します。
  2. MetaのSDKを実装し、広告マネージャーなどMetaが提供するレポート機能を使用します。

なお、iOS 14以降のモバイルアプリインストールキャンペーンで、ディファードディープリンク(英語)は利用できなくなったのでご注意ください。また、複数のアドネットワークパートナーと連携する場合は、Meta広告とのSKANの相互運用性をサポートしている(AppsFlyerなどの)MMPを実装することをおすすめします。 

そうすることで、広告主は重要な指標を多数取りそろえたSKANパフォーマンス指標 を利用できるため、パフォーマンスを向上させるための一歩踏み込んだキャンペーンのインサイトを得られます。 

広告主はMetaの計測ソリューションをMMPからのサービスと並行して無料で利用できますし、むしろ利用が推奨されています。MetaのSDKはMMPのSDKと併用しても干渉せず、 Facebookログイン などの便利な機能も利用できます。

その一方で、MMPとMeta側の管理画面の間では レポート数値の乖離(英語) がつきものという点にも留意してください。これはアトリビューションの仕様であり、想定されているものです。 

たとえば、複数のアドネットワーク (英語)で広告を出稿する際、Metaの管理画面には、同じコンバージョン経路上にあった他のアドネットワークの広告は関係なく、Meta広告のクリックやビューによるコンバージョンの合計数が表示されます。一方MMPは、最終的に正しいアドネットワークに対して成果のクレジットを割り振るため(マルチタッチアトリビューション(MTA)(英語)と呼びます)、Metaの広告マネージャーのレポートとはどうしても乖離が発生してしまいます。

また、SKAdNetwork計測用のConversion Studio(英語) のような製品も、SKAdNetworkのコンバージョン値の設定作業の円滑化といった観点から、Metaの広告ソリューションの補完機能としてMeta広告のより良い最適化に一役買っています。

2022年、iOSとAndroidにおけるプライバシーの強化がMetaの計測オプションに与えた影響

2022年、iOSとAndroidにおけるプライバシーの強化がMetaの計測オプションに与えた影響

ATTフレームワークでは、iOS 14.5以降の環境においてIDFA(英語)を取得したい広告主は、iPhoneユーザーにオプトインポップアップを表示する必要があります。これを受け、Metaは合算イベント測定(AEM)という新しい方法で、iOS 14.5以降のユーザーのピクセルコンバージョンイベントとアプリイベントを合算して求めています。Metaが発表した内容はこちらご覧ください。

Metaの合算イベント測定(AEM)とは

Metaの発表によると、合算イベント測定プロトコルはAppleのPrivate Click Measurementに匹敵し、広告主にとっても実用性が高いとされています。 

この合算イベント測定では、iOS 14.5以降のデバイスを使用するユーザーの、ウェブやアプリのイベントを計測できます。基本的に、設定や優先順位付けが可能なコンバージョンイベントが1ドメインにつき8つまで広告主に提供されます。 

8つのイベントには標準イベントやカスタムイベントのほか、以下に挙げた接続方法を1つまたは複数組み合わせたカスタムコンバージョンが含まれます。 

  1. 標準のMetaピクセル
  2. FacebookコンバージョンAPI
  3. Facebook SDK

当社では通常、Eコマース広告主の大半が採用する、収益向上を目的としたアプリ内購入イベントなど、ビジネスにとってもっとも有益な標準イベントを選択するようおすすめしています。 

なお、計測対象のイベントは過去90日にMetaが受信したものという条件がありますが、MMPの場合にはアプリ内イベントをマッピングすることで、Metaへイベントを送信することが可能です。

MMPを使ってMetaを計測するべき理由

Metaのレポート機能では、ユーザーが他のプラットフォームの広告にも接触していてそちらが正しい成果が紐付け先であったとしても、Metaの広告ソリューションによるコンバージョンとしてのみ表示されるという仕様上の制約があります。

MMPはMeta以外も含めた複数のアドネットワークにおける広告のコンバージョンを重複排除し、マルチタッチアトリビューションのアプローチに沿ったファネルで包括的なビューを提供します。つまりMetaのセルフレポートソリューションに全面的に依存することなく、全メディアを相対的にとらえたビューです。結果として、MMPは公正なアトリビューションを提供し、信頼できる唯一のソースとして機能します。

なぜメタをMMPで測定するのか?

Facebook単独でキャンペーンを実施中の場合でも、SKANでのコンバージョン値管理や予測分析、 ユーザエンゲージメント(英語) など、MMPの提供する機能で付加価値を得られます。多くの連携済みパートナーとのコネクションを持つMMPは、各キャンペーンの本当の価値を提示できます。 

また、iOSでSKAdNetworkを利用する際、MMPはパートナー全体のコンバージョン値を管理し、最適化できます。 

先日、Metaは広告主やサードパーティーに対して、同意済みユーザーから得たユーザーレベルのデータへのアクセスについて制約を課しました。しかし、MMPは厳格なデータ保持契約に従い、プライバシーを重視する管理体制を敷いているので、まだこのデータにアクセスでき、基盤となるデータを一切表に出すことなく、決定的アトリビューションを行うことが可能です。

正しいMMPを選ぶには

正しいMMPを選ぶには

MMPと連携しMeta広告で成果を上げるには、検討すべき重要なポイントが3つあります。

まず、SDKの相互運用性です。すべてはこの質問から始まります:そのMMPはMetaと提携関係にあり、Metaチームやシステムと緊密に連携していますか?イベントマッピング機能をワンタッチで統合できる体制が整っており、迅速で信頼性が高く、ストレスを感じずに実装できるかどうか、事前にMMPに確認してください。

次に押さえておきたいのが、プライバシーに対する施策です。MMPが将来を見据えてシステムを設計しており、万全なプライバシー対策を積極的に講じているかを確認する必要があります。

最後に、優れたMMPはコスト分析、オーディエンスのセグメンテーション、ディープリンク、不正検出、予測分析など、アトリビューションの枠を超え、より優れた機能を提供します。また、十分に公正で、特定のアドネットワークと利害関係がないMMPであることも重要なポイントです。

アトリビューション業務をMMPに移管する手順

上述したとおり、Metaと連携済みのMMPなら設定もスムーズです。設定には重要な手順が3つあります。

  1. デベロッパーがSDKをアプリコード内に実装します。
  2. 広告主はイベントをMMPのイベントにマッピングしたあと、広告マネージャーの標準イベントにマッピングします。
  3. イベントデータが記録されたあと、MMPとMetaのプラットフォームに送信され、アトリビューションと最適化が行われます。一旦完了すれば、イベントをマッピングしてアクティブなキャンペーンのアトリビューションデータをすぐに取得できるようになります。 

現行のMMPから他のMMPに移行する手順

MMPの移行は比較的簡単で、ほとんどの場合、既存のSDKが新しいSDKと干渉しないようにすれば大丈夫です。 

これには、アプリイベントのMetaへの転送を停止したり、既存のMMPにデータを収集させ続けないといった、機能を無効にする作業が含まれます。そうすることで、データの重複や、新しいMMPでの運用開始時にアプリのコンバージョン数による余計な費用の請求を避けることができます。

また、トップクラスのMMPはセルフサーブ型の移管機能や、専任のカスタマーサクセス担当を設けて移行作業をスムーズに進めます。

結論

昨今のプライバシーを強化する変化はMetaの広告に影響を与えていますが、MMPの活用はiOSなどをめぐる新たな常識を理解する上でこれまで以上に重要であり、MMPはMetaの広告キャンペーンをより正確に計測するための唯一の情報源を提供することでマーケティング担当者を支援します。 

どのMMPも同じというわけではなく、広告費が本当にその価値を発揮する上で必要な機能と相互運用性をそのMMPが備えているかどうかを確認することがとても重要です。

Alex Roucourt

Alexは2019年からAppsFlyerにおける戦略的パートナーシップを統括しています。アドテクの分野で10年の経験を持ち、トップネットワークとの関係を構築し、GAP、Sephora、American Eagleなどのブランド向けにパフォーマンスメディアキャンペーンを展開してきました。

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