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SKAN 4.0:業界の見解

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SKAN 4.0 industry perspectives - featured

SKAN 4.0は最近、アプリマーケティングの分野で最もホットな話題の一つです。また、最も誤解されている話題の一つでもあります。

AppleがWWDC 2022で、SKAdNetwork 4.0を発表したとき、モバイルマーケティング業界全体が、この新しいソリューションとどのように向き合うべきか迷ったことと思います。同じように、広告業界のプロからさえも戸惑いの声が聞こえてきています。 

SKAdNetwork 4.0への移行は、広告主がiOSキャンペーンを計測し最適化する方法に直接影響するため、モバイルアプリのマーケティング担当者や開発者がSKAN 4.0の効果についてどう考え、対処しているか気になるところだと思います。実際に、アドネットワークは重要な役割を担っているものの、まだ業界的に合意していない事項も残っています。 

このような観点から、SKAN 4.0に伴う変化をどのように受け止め、今後どのように新機能を活用していくのか、また、モバイル計測パートナー(MMP)はどのようにiOSキャンペーンの最適化をサポートし、将来のSKANバージョンに対応していくべきかなど、あらゆることについてパートナー企業のLiftoff、Google、Snapに話を伺いました。 

パートナー企業のリーダー陣

アドネットワーク側から見たSKAN4.0の変化はどのようなものでしょうか? 

SKAN 4.0の登場によってもたらされた変化と、その新機能がアドネットワークと広告主の双方にもたらす影響について、パートナーの皆様にご意見を伺いました。 

LTV(生涯価値)計測の改善、Web-to-Appのアトリビューションのサポート、クラウド(集団)の匿名性、キャンペーンディメンションレポートの4つに分けて説明しました。

各トピックごとにご意見を紹介いたします。 

LTV計測の改善

SKAN 4.0では、広告主は最大3回のポストバックを受け取ることができ、それぞれ0~2日、3~7日、8~35日という異なるアクティビティ期間に基づいています。これにより、広告主はインストールから35日後までのユーザーのアプリ利用状況を把握できるようになり、従来のSKANバージョンと比較すると大きな進歩です。

SKAN 4.0に対する業界の見解 - Liftoffより

SKAN 4.0では、ユーザーのエンゲージメントレベルを示すために、低、中、高に分割された「粗い粒度」のコンバージョン値のセットを新たに追加し、プライバシーしきい値を満たさない場合に少なくとも部分的なアトリビューションデータを提供します。また、アドネットワークにとっても有益な状況です。広告主の獲得を支援するユーザーが広告主のアプリにどのように接しているかをより明確に理解することができるためです。 

Web-to-Appのアトリビューションへの対応 

SKANの以前のバージョンでは、Web-to-Appのアトリビューションがサポートされていなかったため、マーケターにとって重要な獲得チャネルがカバーされていなかったことが、主な制限事項の1つでした。AppleはSKAN 4.0で、iPhoneユーザーの90%以上が選択しているモバイルブラウザであるSafariのWeb-to-Appアトリビューションをサポートするようになりました。

Googleは、以前のバージョンのSKANではGoogleウェブ広告をサポートしていなかったので、これは嬉しい変化でした。

SKAN 4.0に対する業界の見解 - Googleより

クラウド(集団)の匿名性

SKAN 4.0では、「プライバシーしきい値」の新語として「クラウドの匿名性」という概念を導入し、4つの階層(Tier)0、1、2そして3を設けています。Appleは、各インストールがどのクラウドの匿名性の階層に属するかを決定し、その階層に基づいて、細かい粒度コンバージョン値、粗い粒度コンバージョン値、ソースID、またはソースアプリIDのフィールドを1つ以上削除する場合があります。 

Snapは、クラウドの匿名性を4段階に拡張することは、広告主がますます厳しくなるプライバシー要件に対応するために役立つだけだと主張しています。

SKAN 4.0に対する業界の見解 - Snapより

キャンペーン・ディメンションのレポーティング

以前のバージョンのSKAN では、キャンペーンID は2桁の数字に制限されていました。これは、アドネットワークが0から99 の間の最大でも100通りの広告しか割り当てることができないことを意味していました。SKAN 4.0では、キャンペーンIDが「ソースID」に名称変更され、最大4桁、最大10,000の値を含むことができるようになりました。つまり、アドネットワークは、キャンペーン・ディメンジョンの粒度を向上させることで、大きなアドバンテージを得ることができるようになったのです。

Liftoffは、キャンペーンのパフォーマンスを完全に正確に把握するためには、いくつかの盲点は残るものの、2つの桁が追加されることでより詳細な情報が得られると好意的な意見をお持ちのようです。

SKAN 4.0に対する業界の見解 - Liftoffより2

また、Liftoffは、広告主がiOSキャンペーンをより正確に計測するために、新たに追加された桁数の活用法も共有してくれました。

SKAN 4.0に対する業界の見解 - Liftoffより 3

広告主もアドネットワークもサポート 

本当に効果的なソリューションは、無からは生まれないのです。そのためAppsFlyerではSKAN 4.0ソリューションの開発にあたり、Liftoff、Google、Snap、その他すべての主要なアドネットワークといった業界リーダーたちに調査を依頼し、共同でのアプローチを図りました。その結果、ベストプラクティスに沿った、ユーザーのプライバシーを守りながらiOSの計測における比類ない精度を優先したソリューションが実現しました。 

また、SKAN 4.0がリリースされる前に、私たちのソリューションのさまざまな機能を積極的に共有することで、アドネットワークや広告主がSKAN 4.0をどのように活用し、時代の先端を行くことができるかを理解する手助けができればと思っています。MMPのリーディングカンパニーである私たちAppsFlyerは、モバイル広告の各プレイヤーがベストプラクティスを学び、新機能を最大限に活用できるようサポートする重要なステップと位置づけています。  

  1. 広告主が4種類のコンバージョンバリューのスキーマを簡単に設定・使用 できるようにする(例:最初のポストバック用に2つのスキーマ、2番目のポストバック用に1つ、3番目のポストバック用にもう1つ)。 

私たちは、この機能を導入し、追加の計測項目を提供する最初のMMPとして、広告主がユーザーのLTV計測を最大化し、当社のアドネットワークパートナーがアプリキャンペーンのパフォーマンスをより最適化できるようになることを確信しています。 

広告主がコンバージョンバリューのスキーマをどのように設定すべきかについて、Googleは、どのイベントとバリューが最も優先されるかを念頭に置いておくとよいとアドバイスしています。 

SKAN 4.0に対する業界の見解 - Googleより2

広告主が何から始めたらよいかわからない場合、Googleはアプリ内ファネルアプローチから始めることを推奨しています。このアプローチでは、ビジネスに影響を与えるアプリ内の浅いイベントと深いイベントの両方を組み入れることができるからです。

SKAN 4.0に対する業界の見解 - Googleより3

2.ユーザーの行動は時間とともに変化する可能性があり、各期間は異なる時間枠を表すため、SKAN 4.0では各計測期間が独自の設定を持つことができるようにしました。これにより、広告ネットワークは、アプリのユーザー行動に関するより正確な情報をレポートに記載することができます。

3.SKAN 4.0では、広告主がアプリにとって意味のあるイベントに応じて計測期間をロックできるようにしました。これにより、アドネットワークと広告主の双方が、より早くポストバックを受け取り、データの鮮度を高め、キャンペーンをより効果的に最適化することができます。

4.スキーママッピングAPIとポストバックマクロの提供により、パートナーはSKANのコンバージョン値を広告主アプリで行われたユーザーアクションに容易に変換できるようになりました。

アドネットワークと広告主の橋渡し 

通常、アドネットワークは、細かいコンバージョン値の場合は0~63、粗いコンバージョン値の場合は「低」、「中」、「高」の範囲のコンバージョン値のポストバックを受け取る。キャンペーンを効果的に最適化するためには、アドネットワークがこれらのコンバージョン値の実際の意味を理解することが不可欠です。

この課題に対処し、広告主とアドネットワーク間のコミュニケーションを簡素化するため、AppsFlyerはSKAN 4.0 Conversion Value Mapping APIを導入し、アドネットワークがAppleから受け取る各SKAN 4.0のポストバックの意味を簡易的に訳出し、特定のアプリのコンバージョン値のマッピングを可視化することができます。これにより、広告主とアドネットワーク間の情報の流れが効率化され、モバイルマーケティングキャンペーンの効果計測や最適化が簡単になります。

SKAN 4.0に対する業界の見解 - Liftoffより 4

AppsFlyerのコンバージョン値マッピングスキーマは、4種類のスキーマ、3種類のポストバック、lockWindow機能など、強化されたSKAN 4.0の機能をすべてサポートしています。当社のアドネットワーク・パートナーは、新バージョンのAPIを活用して、コンバージョンバリュー・スキーマのマッピングを受信することができます。

より柔軟に対応するため、AppsFlyerは、アドネットワークが変換されたコンバージョン値でAppsFlyerから直接ポストバックを受け取りを可能にするメソッドをサポートしており、既存のモバイルマーケティング戦略にSKAN 4.0をシームレスに統合することが可能となっています。

今日の需要と明日の可能性に応えるための準備

この先どうなるかはAppleにしか分かりませんが、SKANの仕組みがすぐに無くなるようなものではないことは明らかですーこの評価はパートナー企業も同じです。  

SKAN 4.0に対する業界の見解 - Liftoffより 5

私たちの目標は、パートナーが現在のSKANの機能を活用するだけでなく、将来の準備を確実にするために必要なツールを提供し、iOSキャンペーンで最適なパフォーマンスと効率を達成するためにお客様をサポートすることです。 

ここでは、アドネットワークがSKANの強化に備えるためのヒントを、現在と将来の両方についてご紹介します。 

  1. CV Schema Mapping APIまたはポストバックマクロを採用し、アップグレードする。これにより、アドネットワークは、Appleから受け取るコンバージョン値と、広告主のアプリで実際に行われたユーザーイベントとの相関関係を理解し、それに応じてキャンペーンを最適化することができます。
  2. AppsFlyerのSKANソリューションとの統合が最新であることを確認する。方法に関しましては、アドネットワークのSKAN統合ガイドをご覧いただくか、AppsFlyerパートナーディベロップメントチームまでお気軽にお問い合わせください。 
  3. レポーティングにおいて決定論的なデータを維持すること。公平な計測パートナーとして、AppsFlyerはアドネットワークによる推定値のような非決定論的なデータを利用することはありません。そのため、アドネットワークがAppsFlyerに提供するデータが決定論的であればあるほど、他のアドネットワークと比較して、当社のダッシュボードやレポートにおいて、より特徴的な存在となります。
  4. キャンペーン定義のオプションが充実しています。SKAN 4.0のソース識別子は、クリエイティブ、チャンネル、広告・アドセットレベルなど、最大10,000のオプションでより細かく設定することが可能です。

SKAN 4.0や今後の変化に対応するために、広告主は十分な準備をする必要があります。 

  1. AppsFlyer iOS SDKをアップデートしてください。SKAN 4.0データを受信するためには、広告主はAppsFlyer SDKをv6.10以上にアップデートする必要があります。詳細を見る
  2. 細い粒度のコンバージョン値と粗い粒度のコンバージョン値を設定する。粗い粒度と細い粒度を並行して混ぜる方法を探すことは、マーケターにとって厄介なことです。いくつかのイベントを試して、どのイベントが異なる期間のLTVと最も相関があるのかを確認することをお勧めします。
  3. AppsFlyerのローデータソリューションのいずれかを使用している場合、ローデータマッピングを更新してください。私たちは、ローデータレポートに「coarse-conversion-value」、「source-identifier」などの新しいフィールドを追加いたしました。詳細はこちらよりご覧ください。

iOSやモバイルマーケティング業界において、ユーザーのプライバシーが重要視される中、SKANの今後の展開は必然的と言えます。AppsFlyerは、新たに発生する変化に対応し、今後もアドネットワークパートナーやお客様の計測・最適化機能の強化をサポートし続ける体制を整えてまいります。

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