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EUデジタル市場法と広告主への影響
CPM (Cost per mille）
CPM （cost per mille / 1,000インプレッションあたりのコスト）は、ウェブページでの広告インプレッション1,000回あたりのコストを示すのに使われるマーケティング用語です。CPMの「M」は「mille（ミル）」のことで、これはラテン語で1,000を意味します。
CPM （cost per mille）とは
プログラマティック広告のエコシステムでは、デジタル広告インベントリを自動で売買できます。CPMは、プログラマティックエコシステムにおいて特定のプログラマティック広告に使用される価格モデルです。
具体的には、広告プレースメントが月または四半期に得たインプレッション数にもとづき、広告主が決められた価格を支払うため、大規模なパブリッシャーに最適です。
CPMが重要な理由
CPMは、さまざまなタイプの広告キャンペーンに適した、数多くのデジタル広告価格モデルの1つにすぎません。CPMは「クリック」よりも「露出」を高めるため、ブランド認知度や集中的なメッセージングを目的とする広告主は、CPMモデルを利用します。
たとえば、広告主が理想的なビーガンフードであるグルテンフリーのグラノーラを完成させ、ブランドを売り込む準備ができたとします。 Whole Foodsのサイトやその他地域のオーガニックマーケットサイトで広告を配信すれば 、そのブランドと「関連性による洒落た雰囲気」の要素に注目が集まり、ブランド認知度の向上に役立ちます。
このシナリオで言えば、ニッチな製品でニッチな市場にいる場合、CPMは企業名とブランドの認知度を高める最適な方法ということです。
CPMの計算方法
CPMの算出は重要な指標の1つであり、計算式は下記のように表されます。
つまり、パブリッシャーへの広告費に1,500ドルを支払い、その広告が75万インプレッションを獲得した場合、1,000インプレッションごとに2ドルを支払った計算となります。
反対に、パブリッシャーはCPM計算機を使用して、広告が受け取る潜在的なインプレッション数にもとづくインベントリを提供できます。たとえば、パブリッシャーが25万インプレッションを提供したとします。それを1,000で割り（250）、CPMの値を掛けます。このシナリオでは5.00ドルとします。
これにより、広告がもたらす潜在的な収益を計算できます。この例では、パブリッシャーは25万インプレッションで1,250ドルを獲得することになります。
CPMの平均価格
広告費に関してより良い決定を下すには、インプレッションが配信される場所の価値を知ることが重要です。CPMの価格はプラットフォームや地域によって、大きく異なる傾向があるからです。
グローバルでは、2021年第2四半期でソーシャルメディアに表示された広告のCPMは6.37米ドルでした。
けれども、特定のプラットフォームや地域ごとの内訳を見ていくと、場所によって相違があるのが分かります。
たとえば2021年9月時点でFacebookに掲載された広告のうち、「最も高いCPMは、第3四半期に米国で記録された35米ドル……（中略）最も低いCPMはパキスタンで記録された1米ドル」でした。
しかし、相違の原因は地域だけではありません。新型コロナウイルス感染症でさえ、CPM価格に影響を与えるのです。2020年3月中旬の時点で、各ブランドがFacebook広告の1,000インプレッションに対して支払う額は、平均81セントでした。
しかし、2019年11月の広告費は1.88ドルでした。これは新型コロナウイルス感染症がソーシャルメディアの利用状況に影響を与えたため、Facebookでの広告費が下がったことを示しています。
したがって、CPMには具体的な平均価格は存在しません。インプレッションには、時期ごと、プラットフォームごと、地域ごとに注目すべき傾向があります。それを知ることが、ある時期や地域で配信されるインプレッションの価値を判断するのに役立ちます。
CPMと他の広告指標を比較する方法
CPM価格モデルがデジタルマーケティングの何を扱い、いつ、どのように利用するかが分かったところで、CPMはプログラマティックエコシステムの他の価格モデルとどう比較すべきかを見てみましょう。
CPMとeCPM
第一に、eCPM（1,000インプレッションあたりの生成利益）はパブリッシャーが使用する指標です。
たとえば、モバイルアプリの広告が1日あたり175ドルの利益を得て、10万回の広告インプレッションを提供したとします。このとき、パブリッシャーまたはアプリデベロッパーのeCPMは、次のように計算されます。
175ドル ÷ 10万回 × 1,000 = 1.75ドルeCPM
つまり、パブリッシャーまたはアプリデベロッパーには1,000インプレッションごとに、1.75ドルの利益が発生するということです。
一方、CPMは、広告主の予算内でキャンペーンのコストとリーチを見積もるために使われる、価格とリーチの指標です。
CPMとCPC
CPC（Cost per click）価格モデルでは、1,000インプレッションごとではなく、広告がクリックされるたびに支払いが発生します。よって広告がクリックされない場合、広告主の支払いは発生しません。
また、クリック回数が少なくても、その広告は「クリック」されないだけで、広告主からすれば無料で数千ものインプレッション数を獲得している可能性があります。 しかし、パブリッシャーにとってはクリックされなければ利益が発生しません。
CPCは、広告主にとって非常にコストがかかる場合があります。クリックスルー率（CTR）が高くても、パブリッシャーに多くの利益がもたらされる広告を想像してみてください。
CPCモデルがコンバージョンの促進に最適である理由は、このためです。サイトのトラフィックであっても、売上であっても、ブランド認知度を高めたい広告主にとっては、CPMが価値の高いモデルなのです。
CPMとCPA
CPA（Cost per action）とは、広告へのエンゲージメント後にアプリ内で発生した特定のコンバージョン（購入や登録など）に対して、マーケターがアドネットワークやメディアソースに支払う価格モデルの一種です。
基本的に、CPMはインプレッションを重視し、それがすべてであるのに対して、CPAは広告にエンゲージし、その広告キャンペーンに利益をもたらす特定のアクションをとった人数を数値化することがすべてです。
重要なポイント
CPMのMは「1,000」を意味しますが、それ以外にも下記を覚えておくことが重要です。
- CPMとは、あるページやサイトでの広告インプレッション数1,000回ごとに発生するコストを示しています。
- 広告のプレースメントが獲得したインプレッション数をもとに固定価格が支払われるため、大規模なパブリッシャーにとって最適な価格モデルです。
- CPMの計算式は次の通りです。総キャンペーン費用 ÷ インプレッション数 × 1,000
- CPMの具体的な平均価格は算出できません。CPMは、時期、プラットフォーム、地域にもとづいて決定するからです。
- CPMは広告主とパブリッシャーが予算内で広告費を見積もるために、eCPMはパブリッシャーが使用する指標です。CPCはコンバージョンの促進に適した価格モデルで、CPAは広告がエンゲージメントされた後に使われる価格モデルです。
